ピグマリ~本の夢~・31「人魚とひまわり」 | ピグマリのお部屋

ピグマリのお部屋

ピグの可愛い女の子 ピグマリのお話

 



私の名前はピグマリ

人魚です





 
あっすごくきれいな

花が落ちてる

髪飾りにほしいな・・・

 

ちょっと遠いけど

取りに行っちゃおう




 
よいしょ、よいしょ

 

あとちょっと・・・








 
ハアハア

 

無事花を手に入れましたが

呼吸が苦しくなってきました

早く・・・

早く海に戻らないと・・・ 

ハアハア





 
あっ


ヒレが流木に 

引っかかって

動けなくなってしまいました

海に戻れませんっ

 

どうしようどうしよう

干からびて消えてしまうっ




 
そんな私を海に戻してくれたのが

ピグリョーという青年でした

「大丈夫?」



ありがとう・・・

あと少しで私 

消えてしまうところだった・・・





 
その後、ピグリョーと入江で

何度も会い・・・




 
いつしかお互い

とても大切な存在になっていきました・・・





 
しかしある日を境に

彼はパッタリ 

入り江にこなくなりました



どうしたんだろう・・・

 

何かあったのかな・・・?





 
入り江に来た人間の会話で

彼が重い病で 

臥せっていることを

知りました





 
人魚の歌には

わずかですが 

癒しの力があります



彼の耳に届くよう

私は精一杯 大きな声で

何日も何日も 

歌い続けました





 
その後

彼の容態が奇跡的に 

回復に向かっていることを

知りました 

よかった・・・





 
しかし大きな声で

何日も歌ったため 

私の存在を人間に知られてしまい

私はとらえられてしまいました






 
何とか隙を見て逃げ出しましたが

海からかなり離れてしまいました

必死で海まで戻ります


ハアハア

 

頑張れ

 

頑張れ・・・







 
ハアハア


あと少し・・・

あと少し・・・

あと少し・・・



しかし・・・

本当にあと少しというところで・・・






 






 
私は消えてしまいました・・・


ごめんなさい

ピグリョー・・・・・・








 





でも・・・

あなたが・・・







 
私の髪飾りを

あなたの家の庭に

埋めてくれたから・・・








 
私は毎年夏になると

あなたに思い出してもらうことが

できます・・・



ピグマリ(目次)