下巻が1月末にAmazon Audibleに入って来たので聴きました。井浦新さんの朗読はやっぱりこの物語にすごく合っていました。
下巻のあらすじを簡単にまとめると、上巻から続く2部では、元図書館長の子易さんが面倒を見ていたサヴァン症候群の少年が出てきます。イエローサブマリンのパーカーを来た男の子。毎日のように来てずっと本を読んでいる。
彼は偶々聞いた私の話に出てくる壁に囲まれた世界に興味を示し、その世界へ行くことを望むようになります。
3部は再び壁の中の世界の話になります。
上巻から通して、気になったことが2つありました。
ひとつは1部で登場した初恋の彼女は再び現れることはなく、私は代わりにコーヒーショップを営む30代の女性と出会う。
もうひとつはイエローサブマリンの少年。彼がなぜ壁の世界へ行くことを望むか。その世界での仕事は図書館で古い夢を読むことで、そこでは社会的適応力を必要とされないから、というところ。
上巻ではよくわからなかったのですが、壁の中の世界はおそらく現実ではなく空想の頭の中の世界なのでしょう。
一般的にこの社会では現実の世界が重視されると思います。そこでの仕事や人間関係や。
でも一方にある非現実の頭の中の世界も重要というか、実は等価なんじゃないか?と思うことがあります。更に言うと、逆にその非現実世界に閉じこもるのはダメなことだろうか?と思ったりもします。
それに恋愛というのも結局は幻想の投影なのかもしれないと思うことがあります。
自分は謎解き的な読書はあまり趣味ではなく、どちらかと言えばあれこれ考えまくるよりは、さらっと読んでその世界を楽しみたいのですが、その点でも十分楽しめる内容です。それに何を読み取るか、どう解釈するか、正解があるわけじゃないとも思います。
村上さんには珍しく最後にあとがきがありました。この物語の元になった過去のやや短めの小説のことや、「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」との関係はそこに書かれています。
