だいぶ前にあるアカウントかXで紹介していて気になっていた本です。やっと読めました。
Xでは、夫が妻を扶養しているのではなく、妻が夫が働けるように扶養しているのだ。という言葉が引用されていました。
著者は韓国の方ですが、2人目を妊娠中に会社を辞めたら、家で遊んでいるとか、夫が稼いできてくれるお金で楽に暮らしているとか言われたり。
日本においてもあるある過ぎて、このモヤモヤは社会が変わらない限り解消されないんだろうと思っていました。けれども、自分なりに仕組みを理解したり社会に対する解像度を上げることは意味があると教えてもらいました。
著者は15冊の本を読み解くことで資本主義社会における家事労働とは?という問題に迫っています。ここで家事労働とは育児、介護、地域ボランティアなど全てを含みます。
最も目から鱗だったのは、マルクスの資本論では労働者をケアする人間の労働力がカウントされていないということ。それから家事労働はGDPに含まれていないということ。
家事労働が理不尽にも資本主義の外側に追いやられていることは薄々わかっていましたが、経済学そのものがそもそも男社会の産物とわかり腑に落ちるものがありました。
勿論もっと家事労働が報われるような仕組みを作ることが大事だと思いますが、私はこの本の最後の方にあった言葉がすごく気に入りました。
主婦は資本主義社会で暮らしながら、お金を稼ぐという至上命題から自由になれる人とも言える。
主婦の良さというのもあるはずで、子育ても終わりつつある今後の人生は特に、それを楽しみながら生きていきたいと思いました。
この本は特には女性ですが、あらゆる人におすすめ出来るとても内容の濃い本です。