蕎麦屋。三菱色鉛筆。今、俺はこの信州で蕎麦を打っている。昔、東京に住んでいたころ、同じデザイン系の学校で知り合った女性と恋に落ちた。彼女の実家は代々続く老舗蕎麦屋で、文豪などが愛した蕎麦屋だった。俺は外国人だったので、最初は、彼女の両親に結婚は反対されたが、事実婚という形で、一緒に暮らし始めた。そのうち店も手伝うようになり、おやっさんの信用も得て、店の跡継ぎとして働いている。