アーティスト - 6 - | ネズラー通信編集部のブログ

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ペン画、篆刻、写真など。



表現には「間」が大切だ。

例えば、
愛を告げるのに、
「好きです。」ならいいが、
3時間、
どれだけ好きか聴かされたら、
それは苦行だろう。


ひな壇も
つめつめは、良くない。


お姫様は孤高なのだ。



それを教えて下さるいいお話がある。
石間先生と河野隆先生とのやり取りだ。






石間先生は、
ストーンズを好み、
メガデスも愛する。

僕は
アリサ(アレサ)・フランクリンを好み、
メタリカを愛する。

前者の音楽には間があり、
休符もしっかり聴かせる。

後者の音楽に休符はないことはないし、
すごいテクニカルなことをしているが、
譜面にすると、
オタマジャクシがいっぱいに埋まってしまう。

実は
前者には
凄腕たちが混じっているので、
間を造るのも技術が必要かもしれない。


僕は最小限度の手数で
最大限の表現、を目指している。
だから、
スケッチ(下絵)を本画にしたり、
そこに色を置いて、
終わりとする。

ニュージーランドの美術家が、

『彼は判って置いている。』と
評価してくれた。

そうです、
下絵だけれど、
大きく見えるように考えてはいる。

でも、
計算ではなく、
本能的なものだけれど。


===

【夢想家 宝くじが当たった男】


俺は、
ジュンゾー。


元自衛官だが、
目を負傷して除隊した。
そこから仕事を転々としているうちに
宝くじが当たった。

家、車、バイク・・・お決まりのものを買った。

毎日が暇だ。
俺はフィラが好きなので、
絶対フィラのボストンで、旅をする。
俺の世代、
テニス第一世代の80前はフィラなのだ。

旅といっても、
あまり派手にすると、
宝くじのことがバレるので、

親戚回りをするが、
どうも親戚たちの間でも、
ジュンゾーさんところ、
宝くじ当たったんじゃないか?

噂されているらしい。

俺は決まった時間に旅はしない。
もう思いつきで生きていける。

やはり近しい存在から、
こういうのはバレるもんなんだな。

でもゼッテー俺はおごらないぞ。




===

【夢想家 貧乏くじが当たった男】


俺の名はキョーゾー。
三男だが、次男が他界し、
神主に次男の名を名乗りなさいと言われた。

中学生のころだ。
高校生から、
ケイジと名乗っている。

何故か、
長男の代わりに母親の喪主をし、
扶養義務も、
不動産管理義務も果たさない公務員の兄に代わり、
すっからかんで生きている。

全財産は、
血統証つきの犬より安い。

俺は赤色が好きだ。
元気が出る。
オレンジも好きだ。


赤色が真っ黒になったので、
買い換えたら、
お金を使ったことに後悔する。
1,000円もしないが。

ただ、
俺は「まあまあカッコいい」ので、


下着以外古着だが、
何か高級品を身に着けているように
観られる。

美容師に
「白髪を気にしていますか?」

言われる年齢だが、
「僕はそのまま、内田裕也になります。」

答えている。

ロケンロール。
人生はロケンロールのリズムだ。

16年半介護して母を亡くした。

俺はまあまあ頭も賢いので、
同級生は医師ばかりで、
一緒に飲むと、
皆、ロレックスをしていて、
(100万円以上クラスね。)

「お前、それで触診できるんか?」
「そんなん、するか。5分間診療やんけ。」

ムカつくが、仕方ない。
ヒトはヒト。

言い聞かせて、
道端のチューハイの缶を蹴り上げる。

16年半もアルバイトと介護をしていたら、
もう自分で生きていくしかない。

子供のころから好きな、得意な
画業をしている。
コロナ禍で、
公共の美術施設は休館だが、
持続化給付金というのはもらえないみたいだ。

でも、
俺はまあまあカッコいいので、

カッコいい爺さんになって野タレ死んでやる。

人生に必要なのは
最小限の手数で
最大限の表現なんだ。