夢想家 928。 | ネズラー通信編集部のブログ

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水彩。
アタリはボールペン。






あれは
確か
スイスの田舎で
そう
入り組んだ田舎の街角にある
安ホテルで
野菜ばっかりの料理を食べているとき、

テレビにお祭りの映像が映っていた。

棒高跳びみたいに、
棒で、
川を飛び越える男たちが
次々と川へ落ちて行く。

余程の身体能力がないと、
川幅を飛び越えるのは無理だ。

僕は
そんなことを考えながら、
アスパラにフォークを突き刺して、
日本にも
川の中に神輿ごとふんどし姿で入っていく
祭りがあったなあ、と思い出していた。

神さまは川遊びが好きなようだ。


商用はそんなに時間を取らないが、
こんな辺鄙なところまで来て、
街中でも散歩しようと、
適当に歩く。

英語は通じない。
ここはフランス語圏で、
フランス語しか通じない。
若しくはラテン語。

ドイツ語圏に行っても
よく似たものだ。
英語はビジネスマン以外通じない。

ついでに
フランス語は
僕は出来ない。
挨拶と愛している、以外しか。


そんなこんなで5日間が過ぎ、
僕は帰路についた。

当時、
集合住宅的な
2住戸1棟住宅、
つまりニコイチに住んでいた僕は
妻から
お隣に
母子家庭が引っ越して来たと聞いた。

妻曰く、
母親は40代くらい。
娘さんは中学生で、
すらっとしていて背が高くて非常に細いという。

なるほど。
なるほど。

なるほど。


僕は玄関に出て、
隣の様子を外観から伺う。

なんじゃー、こりゃ。

借り物なんだけれど、
どうやら
お隣の母親の親御さんが工務店の職人さんか何かで、
トラックでやって来て、
電ドリでたくさん工事をしていったという。

電ドリは壁等には使えないので、
この「防護壁」を造るためだろう。

防護壁、
そういいたくなるくらい
完璧に目隠しされていた。

カーテンはもちろん、
窓の外には
上手にU字になるよう
スダレなどが取り付けてあり、
中の様子は伺い知れない。

というか、
人の不在さえ判らない腕前だ。


なるほど。
なるほど。


40代の母親と中学生の娘。

なるほど。

これは
「親子丼」のチャンスではないか。

そう考えないオトコがいるものか、いやいまい。


僕の脳裏には
スイスで観た光景が浮かんだ。

棒だ。
棒高跳びだ。

相手宅の二階のベランダに
貼りついて、
様子をうかがってやる。

これは
生命体として、
当然の義務だ。
納税と同じくらいの義務だ。


僕は竹竿を用意した。



とおっ!


夢想家 928 ky ネズラー通信(C) 山本京嗣








(こんな飛び出しはどうだろう?)