夢想家 798。 | ネズラー通信編集部のブログ

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ペンテルのGelボールペン1.0ミリ。
速記。





ひょんなことから、
老舗旅館に泊まることになった。

あまり
面倒な手続きが億劫にあるときもあるので、
そういうときは、
ビジネスホテルを利用するのだが、

先輩に連れられて、の旅なので、
先輩の手配した宿となった訳だ。


畳の間に、
真ん中に大きな座敷机。

正しい旅館だ。

鴨井の彫刻など
観るべきところがたくさんあり、
風格を感じさせる。


仲居さんがやって来た。

夢想家 798 ky ネズラー通信(C) 山本京嗣


『ホントに
 お外は大変なお天気で。』


僕は、
あまり気のない返事をした。
僕は
さっさとビールでも飲んで、
風呂に入りたかったのだ。


『ええ、まあ。』



『ホントに、
 大変でしたねぇ。』

夢想家 798 ky ネズラー通信(C) 山本京嗣



僕は心の中で毒づく。

(なんじゃあ!
 さっさと出て行け!)


『ええ、大丈夫ですよ。』

対人関係は爽やかに。
サービスを受けるのだ。


夢想家 798 ky ネズラー通信(C) 山本京嗣


『でも、大変でしたねぇ。』

(何なんだ!)


心の中で叫びつつ、
そうか、
チップか
めんどくせー、と思いつつ、

僕は
数千円をそっと彼女に手渡した。

夢想家 798 ky ネズラー通信(C) 山本京嗣



『では、ごゆっくり。』




手ごわい相手だった。
帰るときも
来そうだ。

次は負けないぞ。







(こんな出だしはどうだろう?)