夢想家 702。 | ネズラー通信編集部のブログ

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夢想家 702 ky ネズラー通信(C) 山本京嗣

シャーペンB。



産まれつき
せっかちだった。

頭のカタチが
キレイになるように、

病院や母親が枕を変えてくれても
僕は自分で投げて捨てた。
だから、
頭のカタチは絶壁になってしまった。

ボタンも
小さい頃から自分で
留めたかった。

靴紐も
拘りがあるので、
自分で締めた。


手っ取り早く、
それがテーマだ。

なので、
今、
僕のチャックテイラー(コンバースの靴)の靴紐は
ゴム紐だ。



僕は
当時酒屋でアルバイトをしていた。

こんな小柄なナリなんだけれど、
ビールケースを3つ提げて、
公団の3階に走って上がった。

僕は
こう見えて、
かなり筋肉質だ。

親譲りなのかもしれない。


そんなこんなで、
倉庫の仕事をしているとき、
社長と
自動販売機を管理する清涼飲料水メーカーが
立ち話をしていた。


『よくお金が抜かれるんですよ。』

『ええ、
 例えば、
 千円札を半分入れて、
 引っこ抜いても、
 自販機が千円が入ったと認識するんです。
 今改良型に変えています。』




マジか!


そんな話を悪友に告げた。


数日後、道端で悪友に逢うと、

「あれはダメだ。
 一晩中やった。」

「きっとお前はお金持ちになるな。」



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そんなこんなで、
僕は酒屋のバイトと並行して、
ドラッグストアでバイトしていたんだけれど、

そこへ
悪友が来た。


『おい!
 K!
 自販機の小銭入れに
 水圧をかけると、
 小銭が出てくるらしいぜ。』



さて、
悪友は
夜の23時くらいに僕の家に来た。

僕の家の庭にある長いホースを自転車の前かごに積んで、
悪友は去っていった。


数日後、悪友がアルバイト先に来た。

「取り出し口から出てくるのは
 水ばかりだ・・・」

「お前はきっと成功者になるに違いない。」



夢想家 702-2 ky ネズラー通信(C)




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悪友は誰よりも結婚が早く、誰よりも新築の家を買い、
立派な公的機関の出世首だ。

本来なら、首になるべき性分だとは思うが、
三つ子の魂百まで。

お金への終着はすごい。



【原画資料】

夢想家 702 資料

ちまちましている僕は
お金という天下のまわり者に
出会ったことはない。




(こんな話はどうだろう?)