シャーペンB。
世界お菓子職人大会。
それは
誰でもエントリーでき、
出来レースなしの
シビアなコンテスト。
審査員も非常に吟味される。
まず、
このコンテストの優勝者であること。
長年、お菓子職人として仕事をしていること。
自分のレシピを持っていること。
世界に新しいお菓子を提供したアーティストであること。
当たり前のことなんだけれど、
何処かの星のある菓子職人しか出場できないとか、
そんなタイヤ屋が決めるような
低レベルの争いではない。
一番の審査ポイント。
それは
この世界に未だ皆が口にしていない
お菓子を提供し、
世界を少しだけ照らす存在になる。
そのために、
出場者は自分を超えて行かなくちゃならない。
私は
今回初エントリーし、
最終選考が行われる、
今年の会場はブリュッセルの市庁舎。
尖塔が印象的な建物だ。
私は
ネズロールという自前のお菓子を披露する。
ネズロールの最大のポイントは、
包んだようなお菓子ではなく、
中の具材自らが、
布団を被ったように巻くことである。
そう、
それが自然なんだ、と私は思う。
中の具材が巻いて欲しいものは何?
自ら何を手に取って
身体に纏うの?
そう
自問自答して出てきた答え。
それが
ネズロールである。
さあ、
大会の火ぶたは落とされた。
世界中から、
地域を問わず、
人種を問わず、
お菓子のジャンルなんて問わず、
8人の選ばれし挑戦者が、
世界に新しいお菓子を提供する。
私、
負けない。
(こんな出だしはどうだろう?)
【参考資料】