本日のネズミ番外編【Vol.1】ナキウサギ。 | ネズラー通信編集部のブログ

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本日のネズミ番外編【Vol.1】
ナキウサギ


ウサギ目(重歯目)ナキウサギ科
写真はキタナキウサギ。

一番、
キタナキウサギの
特徴が出ているので、
この写真をお借りしました。

お鼻の横のもふもふ。
長いヒゲ。
小さいお耳。

まず、
ネズミとウサギの違いを
まとめましょう。

度々、
本誌や本ブログで、
ネズミとウサギは
DNA的に血縁種であることが
近年判明したと書いていますが、
「目」として分けられているのには
特徴の違いがあります。

最も獣医師の教科書の臨床本では
同じカテゴリーですが・・・

【門歯の違い】
 ネズミは上顎門歯は一対です。
 ウサギは二対です。
 ウサギ目が重歯目と呼ばれた由縁です。
 ともあれ、
 第2門歯はとても小さく、
 外からは見えません。

【エナメル質の違い】
 多くのネズミでは前歯を守るエナメル質は
 表面だけにあります。
 一方ウサギの仲間は裏側までエナメル質で
 覆われています。

【食べ方が違い】
 ネズミの仲間は顎を前後に動かしますが、
 ウサギは下あごを左右に動かします。
 つまり、筋肉の付き方が違うという訳です。
 ネズミは硬いものを砕くために顎を使い、
 ウサギは消化しやすいように顎を使う、
 という訳ですね。

さて、ここまで知れば、
皆さんはネズラーとして
エキスパートです。

ともあれ分類学の上で、
分けるほどの特徴でもないと
個人的には思っています。
(エライ先生、怒らないでね)

さて、
今日の主人公はナキウサギです。
ウサギの仲間の最古の化石は、
3,000万年前の漸新世のアジアの地層から
見つかっています。

ナキウサギ科の仲間は
ウサギよりも原始的ですから、
もっと古い時代に分化したと
考えられています。

北海道に生息する
エゾナキウサギは、
学説によりますが、
1.5万年前頃に北方のシベリアから
やってきたと考えられています。

本題の
ナキウサギの話をしましょう。
名前の通り、
「ピョピョ」「ピー」「キッ!」っと
澄んだ声で鳴きます。

声の使い方はヒトもネズミも同じ。
縄張りの主張や、
異性とのコミュニケーションのため
この美しい声を使うのです。

日本にナキウサギがいることが
発見されたのは1928年と最近です。

場所は北海道の北見。
当時の北海道では
唐松の植林が盛んでした。

しかし苗木が根元から噛み千切られ
持っていってしまわれる・・・
当初はネズミが犯人
というのが相場でしたが、
どうも、ネズミとは違う・・・

たくさんのネズミ捕りが設置され、
真犯人が「ナキウサギ」と解ったのです。

冬のための貯蔵だったんですねー。

ナキウサギは
冬眠をせずに越冬します。
そのために、
夏から秋にかけて、
多様な植物を岩の下にある貯蔵庫に
保存食として貯めるのです。

ハムスターのようですね(笑)

食べるときは、
ウサギなので手をつかわずに
ウサギらしく食べます。

この愛らしい小獣も、
環境の変化で
住みづらい世の中です。

是非とも美しい自然は
ヒトもネズミもウサギも幸せになるので、
残していきたいものですね。

ねずみのお話へ☆
 【ナキウサギ】

【左】イチオシ!コーデュラ製布地使用コインケース。
【右】がま口ポーチとミニボストン。

ネズラー通信編集部(C)