陸奥湊駅 | 鼠帝国@アメブロ

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鼠は滅びぬ!何度でも蘇るさ…
※ブログ移転に伴う文字化け・リンク切れは適宜修正

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ある少年の生活は、小学生になる直前に激変した。
それまで鉄道といえば電車が地下に潜っていたものが
上野駅で親戚に見送られ、家族と共に夜行列車に揺られた翌日には
ガラガラとエンジン音を唸らせる車両が、のんびり高架線を走っていた。
その高架線が終わった所にある小駅が、
少年が青年になるまでの新たな最寄駅となった。

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タブレットの受け渡し、鉄橋にそびえる腕木式信号機、
(これに登って駅員に追い掛け回される。)
駅の脇の線路に止まっていたタンク貨車と、高い煙突のある工場へ伸びる線路。
国鉄が赤字とのニュースが耳に入ると、
子供心から駅に態々きっぷを買いに行ったりと
以前と様変わりした鉄道風景は、少年の鉄道に対する探究心を更に掻き立てた。

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この駅の上り一番列車は、早朝の駅前の市場で商品を仕入れた、
地元の言葉で”イサバのカッチャ”と呼ばれたりもする
販婦の方々が利用する行商列車でもあった。

ここから列車に乗り込むことで、旅人達と彼女達の人生が交錯し、
終着駅まで運命を共にする。
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