C子と別れる事になった。










突然の出来事だった。











1ヶ月ほど前に


「ホタテもらえるから、いる?」


と連絡が来た。




行きつけのカイロプラクティック院長から

幾度となく

北海道のホタテを貰えると聞いた事があった。





しかし半年ほど前



「この前カイロ行ったらヘンな所触られて

キスされそうになった。」



と報告を受けた。



「もちろん拒否したよ。

私が離婚したのを知って迫ってきたみたい。」



「はぁ??ソイツぶん殴りに行っていいか?」



「もう行かないからいいよ。。。」




何年も通っていたみたいだし、

元はネットゲームの友達だというので



一応その場は収めた。



C子に隙があるわけではない

とは思う。


しかし私は少しモヤモヤしていた。




脳裏に焼き付いてしまった



「ホタテ」



またそのワードがでてきて

私はピンときてしまった。




「もしかしてカイロ野郎と連絡取ってる?」



「個人的にはもうしてないけど

ゲームのLINEグループでホタテいる人?

って聞かれたから。。」




なんか一気に残念な気持ちになった。





「以前痴漢行為されたところだよね?

ちょっと俺的に理解できないんだけど?」



「ホタテだけ取りにサクッと行こうかなって」



「正直言ってお前の感覚わかんねーよ」



「断ります、、、」






私の許容範囲が狭いと言われれば

それまでかも知れない。



しかし私の中で直感的に

それを超えてしまった。



「ホタテキターー」



とは決して言えなかった。




毎週会って食事はするものの



どこかでC子を信頼できなくなっていく

自分を感じていた。



今までC子とは常識や価値観が

私と同じレベルにあると思っていた。



「それくらいの事でヤキモキすんなよ」


「イヤイヤそれはねーだろ!」



という思いが交錯していた。




C子の母親は大のホタテ好きらしく

その為に行こうとしていたのかもしれない。



なので、できるだけその話題には触れず

私の中で消化しようとしていた。



しかしある日、会った後の別れ際に



「私ちゃんとホタテ断ったんだから!」



といきなり言われて



とっさに返す言葉が見当たらなかった。




後日



「そろそろ夏の旅行計画立てないとね!」


という話題になって



「あーそうだね。。」



としか言えなかった。




それからなかなか旅行計画の進捗がない事に

しびれを切らせた様で



「スクーバのライセンスでも取りに行く?」


という話になったりして



私も酔っていたせいか、思わず



「うーん、それは別にいいかなー」

(ホカニモナニカイッタキガスル)


と、つい口に出してしまった。



すると



「もういい!!」



とキレられてしまった。



珍しくC子が感情的になったので

謝ったのだけれど



帰りの車で何気ない会話をして

マンションのエントランス前で

降ろしてくれると思いきや



そのまま近くの公園に車を停めた。



「ど、どーしたん??」


C子

「最近、なんかヘンだよね?」


「・・・・・」


C子

「なに。はっきり言ってよ!」


「うーーん、なんていうか。。。」



いきなりこんな流れになると思っていなかった。



今すぐ別れようとは思っていなかったし



少し時間をおけば修復するんじゃないか?

と思っていた。



しかしC子が捲し立てるので

私は心の内を正直に話した。



「ちょっとのあいだ距離をおこうか」


C子

「距離を置くってどういう意味?」



30分ほど色々話しただろうか





最終的に




C子が

「じゃ友達に戻ろっか!」



という結論に至ってしまった。





私はそれを受け入れた。




帰ったその日はなんだか実感がわかず


次の日に


なんだかほっとしてしまった自分と

恋人関係をいきなり解消してしまって

どこか残念な気持ちの自分がいた。





2日後C子からLINEが来た。



今までの感謝と

私に対する至らなさ

好きという感情が不安定だな

と思った事が最近時々あったので

気にしないでほしい



という内容だった。



私も



今までの感謝と

面倒くさい男ですまない

何か相談や会社での愚痴

などがあればすぐに行くから。



と送った。



以前から思っていたが



C子は付き合い出してから

私が決める事にほぼ同意する様になった。



何処に行くにしても自分の要求を

伝えてくる事はあまりなかった。



付き合う前の様に



「今日は〇〇が食べたーい!」


とか


「来週はココに連れてって!」



という事をあまり言わなくなった。



何度かその疑問を伝えた事はある。



私は大きなストレスではなかったが


その小さなフラストレーションは

塵の様に溜まっていった。



C子も少なからず私に対して

そういうモノはあったと思う。




改めて気になった



C子はこんな結末を予想していたのだろうか?


こんなにもあっさり別れてしまう事に

後悔はなかったのだろうか?


私に対しての不満があるのならなぜ

伝えてくれなかったのだろうか?



たとえ口論になったとしても


しばらく音信不通になったとしても



それはそれで絆みたいなのが

深まる気がするし、健全だと思う



その山を乗り越えなければ


長くは続かないと思うし


C子もそういう気持ちでいて欲しかった。





LINE最後の文面に


「私は基本的に受け身な性格なの。

でも〇〇と付き合う体験が出来て良かった。」









今までお付き合いした女性の中で






一番感謝して








一番切ない気持ちになった。