選挙が終り「落選」してしまうと殆ど情報発信をする事がない中、先の参院選で死闘を繰り広げた「寺田まさひろ元候補」は今も情報発信を続けています。http://terada-masahiro.com/  

そんな寺田元候補が現在の党の状況を分析されているのでもしよろしければご参考頂けましたら幸いです。


先日8月28日、みんなの党から2013年参議院選挙に立候補し(選挙区)残念ながら当選には至らなかった候補者の慰労・残念会が、都内某所で行われた。


北は北海道から南は九州の大分まで、自分も含めて12名の選挙区候補が集まった。それぞれ個性豊かで、かつ魅力的な人たちで(しかも12名中なんと女性が7名!)、自分もそこに含まれているのでこう言うのも何だが、みんなの党はいい候補者を立てるいい党だなと改めて実感した。比例票を稼いで当選議員を1人でも多くするために、およそ議員として活躍することなどもう期待できないと思われる高齢の元スポーツ選手を立てるとか、そういうことはしない。(それは、ある意味で国民を舐め切ったことであり(※)、また税金の無駄使いに他ならない。)

※ とはいえ、そこに投票してしまう国民が相当数いるのもまた事実。非常に残念なことだと思う。


 渡辺喜美代表も浅尾慶一郎幹事長もご出席くださり(他にも、佐藤正夫組織委員長など現職国会議員が数名ご出席)、非常に和やかで楽しい会であった。 そこで、まず嬉しかったのは、代表が冒頭で我々にかけてくれた「一生懸命に頑張ってくれた皆さんは、みんなの党のファミリーです。」という労いの言葉。落選候補者の心理は微妙なだけに、こういう心配りは嬉しいもの。そして何より印象的だったのは、代表のみんなの党に対する想いだ。食事も一とおり済んだ会の後半、12名で渡辺代表を囲む時間が設けられ、代表から直接いろいろお話しを聞くことができた。代表がたった一人で自民党を離党し、苦労してみんなの党を立ち上げてから今日に至るまでの約4年間のこと、政治の世界に30年以上身を置き、そこから築き上げたご自身の政治哲学、30年の経験を踏まえて鍛えた政治的反射神経(非常に興味深い言葉だ)、そして、みんなの党はどうあるべきか、野党の再編はどうあるべきか・・・などなど。 そうした話の中に垣間見ることができたのは、みんなの党への愛情、みんなの党にかける熱意、党所属の各議員はじめ党関係者への信頼と思いやりであった。


 ここ数年の新党ブームで、政党なんて、作るも壊すも合流するも離れるも、世論の雰囲気と党首の思惑次第で好きにできる(それは別に悪いことではない)という考え方が一般的になった感もあるが、国政政党(つまり公党)たるもの、果たしてそれで良いのか?( 政治(家)は、自分のこと最優先ではなく、国民の方を向くべきだろう。) 期待を込めて投票してくださった有権者をあまりに軽視していないか? と考えていた寺田まさひろにとっては、代表の話はすとんと腹に落ちた。そして、自分が選挙で立った党の党首が、そんな風に党に愛情を注いでくれていることを知ることができたのは、嬉しいことであった。


 代表の話は、所々で、党内で最近起こった騒動にも触れることとなった。そこで分かったのは、少なくとも、巷で言われているような、「渡辺商店のワンマン社長が、自分の意に沿わない役員や社員を一方的・感情的に切り捨てた」「新党では自分の立場が危うくなるので、それを危惧して新党推進派の粛正にかかった」という単純な話ではないということ。 確かに、代表はみんなの党を大切にお考えなので、「そう簡単に『新党、新党』言ってくれるな」という思いはあるようだ。しかし、それは、ツギハギだらけの烏合の衆と揶揄されないだけの実質を持った(つまり、様々な点で政策的にしっかり一致した考えを持った)、しっかりした“政策集団”たるに相応しい「新党」はそう簡単に作れるものではない、数合わせばかりに拘泥して理念・政策は二の次で下手な離合集散をしてしまったら、いよいよ国民の信頼を失いかねない、という考えに基づく。 大切なのは、「誰がやるか・誰と組むか」ではなく「何をやるか」だという発想。 そして、もしいま野党再編を考えるなら、せっかく強力な“政策集団”たり得るプラットフォーム(みんなの党)が既にあるのだから、みんなの党の存在感と存在価値をより一層高め、結党宣言にもあるように、政界再編の触媒機能を果たして行こうではないか、それが最も現実的で、最終的に国民の信頼を裏切らずに済む枠組みではないか?  ・・・これが、野党再編・政界再編に向けての代表の考えだ(※)。


 こういう野党再編についてのスタンスの違いが、最近の残念な騒動のきっかけの1つとなったことは間違いないが、どうやらそれは、「更迭・離党」のメインの理由ではない。さすがに、この核心部分は代表も簡単に話してはくれなかったが、いろいろ話を伺う中で、もっと深い、様々な問題の末の、苦渋の決断だったということは理解できた。 初当選時からみんなの党の一員で、ご本人も渡辺代表を「育ての親」だと言っていた柿沢議員に離党を促す結果となったことについて、代表は、「泣いて馬謖を切る心境だ」と語っていた。

  ※ なお、上記「しかし、それは」以降は寺田まさひろの要約であって、渡辺代表がこの表現どおりに話したわけではないので、そこは誤解なきようお願いしたい。


 ひとつ残念なのは、代表ご本人が公の場で、その苦渋の決断について語らないがために、世間にはまるで、渡辺代表が「イジワルじいさん」のように見えてしまっていることだ。上記の「巷で言われている」内容ばかりが世の中に浸透してしまっている。寺田まさひろは思わず言った。「代表、もう少し分かりやすくご説明なさった方が良いのでは? でないと国民に伝わりません。代表は損していますよ。」 それでも代表は、「よし、もっとメディアに説明しよう」とは言わなかった。 これは推測でしかないが、もしかしたら代表は、これまで党に貢献してくれ、潔く切られることを選択した「馬謖」を思いやり、何かを語らずに済ませているのかもしれない。


 ともあれ、みんなの党の候補として戦い、28万5000人以上の方々から託していただいた寺田まさひろとしては、党が、そして党の代表が、―仮にそれが誤解だとしても― 信頼を失いかねない状況になることは嬉しくない。 野党再編へのみんなの党のスタンスは、代表からよく話を聞けば筋が通っていることが分かり、これはこれで悪くないと思えるが、説明不足では困る。 もちろん、何らかの理由で公には語らないことがあってもいいと思う。が、それで国民の皆さんの信頼を失うことがないよう、代表や執行部には、イメージと信頼アップに繋がる党運営と話題提供を、ぜひともお願いしたいものである。 更迭や離党は、もういらない。