開業後1年8ヵ月目、厚生年金基金の解約で280万円を現金化 | 商工会・商工会議所等からセミナー講師として依頼されるために

開業後1年8ヵ月目、厚生年金基金の解約で280万円を現金化


開業後1年半を過ぎた2004年半ば、最初の大ピンチが訪れました。手元資金が60万円を切ろうとしたのです。当時の1ヵ月の生活費は家賃など含め約30万円、預金残高が2ヵ月分の生活費を

切ったら再就職活動を始めよう
と決めていました。もう、後がない。

その矢先、前の職場の破綻後にやはり独立した元・上司から、「厚生年金基金は解約できる」と聞きました。彼も独立後に資金繰りで苦しみ、あちこち調べたところ厚生年金基金が解約できると知って実際に解約したら700万円ほど戻ってきたとのこと。「いざというときのために覚えておきなさい」と言われたものの、その場では「仕事も順調ですし今は必要ありませんが、万が一のときのためにありがたく承ります」と内心ドキドキしながら虚勢を張ってしまった私。しかし帰宅後すぐに年金関係の書類をチェックして問い合わせたところ、何の問題もなく厚生年金基金の解約成立。220万円が、枯渇寸前の私の口座に振り込まれてきたのでした。ちなみに解約したのは「厚生年金」ではなくその上乗せ部分の「厚生年金基金」、お間違えなきように。「厚生年金」そのものは解約できません

その後、私は国民生活金融公庫からの融資を受けて(詳細は次章にて)事業を「攻め」に転じることになります。が、それでもまだ足りなくなって残高が60万円を切ったとき、破綻後ある生命保険会社に転職した元・後輩からの助言で、以前から入っていた別会社の生命保険を解約して60万円を捻出したこともありました。解約返戻金です(保険解約で現金が戻ってくることに驚いたほど、当時の私は世間知らずでした)。まさに干天の慈雨、この解約返戻金がなければ、経営コンサルタントとしての現在の自分はありません。

厚生年金基金を解約したのは当時あまりにも資金繰りが厳しく「解約で受け取れなくなる将来の年金より稼げばいい」と肚をくくったからであり、保険を解約したのはそれまでの生命保険に無駄が多かったからで、かならずしも万人向けの、またはおすすめできる資金調達法ではありません。私は、まず融資を検討すべきだった。が、どうしても、どうしても、どうしても苦しくなったときのために、年金基金や生命保険、あるいは定期預金など、すぐに現金化できるものが自分にどれだけあるのかリストアップしておくのも大切です。


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