東日本巨大地震と、その後の原発事故の影響が首都東京に及ぶに至って、テレビや新聞などのマスメディアは震災一色がつづく。

こうした極端な状況に振れるとき、日本人の国民性として、みんな右向け右的なところがある。

いわゆる「不謹慎」という自粛強要。

こうした「挙国一致」ぶりは危険だ。いわゆる「多様性」を許さないと言う事につながりかねないからだ。

こうした「一色」への誘導に対してマスコミは非常に影響力があると思うが、本当に危険なのは民衆がそれと気づかずに、正しいことをしていると信じてそれに合わないものを排除しようとする事。過去の日本はまさにこれで戦争に突入してしまった。異を唱える人は排除され、封じられた。

しかし今回はいくらマスコミがあおっても、そういう風にはならないと感じさせるものがある。

一つは、震災は被災地を地獄に一変させたのに比して、被災していない地域は全く従来と変わらないという所が、極めて地域差別的ということ。関西地域の住人は過去に阪神淡路の経験もあり、次はどうなるとか、後の支援をどうすれば良いとか、冷静に考えることができていると思う。これは、安全圏にいるからこそ冷静でいられるのだ。

もう一つはネットの存在。ツイッターやフェイスブックは空間的には一つだ。そして、情報は政府やマスが提供するものだけではなく、現場からの情報が直接入ってくる。いかに情報統制されているかがよくわかる。いかに東京の方達が不安に陥れられているかも。

そして、一時期はツイッターなどで、「今日食べた晩ご飯」などという不用意な発言をしようものなら「不謹慎」発言という赤狩り炎上状態だったが、同時に、「別に良いではないか」という応援ツイートも多く出たのである。AC一色のCMにもブーイングが出た。

むしろ、きちんと自分の出来る活動を普段通りにして、経済活動を活性化させ、その上で支援をしていく事が大切だという至極真っ当と思える考えが多く表明されている。

この悲劇的な地震を教訓としてより良い未来を作る事だけが、犠牲になった方々の死を無駄にしないための私たちの責務だ。よりより未来を作るためには多様性を受け入れる土壌が欠かせないと思う。

最後に最近最もRTされた私のツイッターの一句。

「関西人、謹慎こそが、不謹慎。」