第2行 | 必要な時に必要な事を描く者

必要な時に必要な事を描く者

特にしなくても良い。
描くべき時に描くだけの内容を記していく。
それで良い。

テーマ「ペットボトル」

主人公   小泉空コイズミソラ高校女子陸上エース
ヒーロー  真壁聡太マカベソウタ  陸上部補欠

場所放課後部活後
夏の大会前(適当です(._.))
「それでは、始まり始まり」    

空「あんた、全然足早くならないわねぇ」
聡太「はぁ、はぁ、うるせっ」
7月終わりの放課後のグランドで高校生達の様々な部活の音が響き渡る。

その中で校庭の隅の芝生に大の字になって倒れている短髪の若い青年と
その青年を見下ろす茶色のおさげの少女がいた。
空「あの程度走っただけでバテるなんて情なっ」
両腰に手を置いて空は荒い息をしている聡太を見下ろす。

聡太「お、お前みたいなバケモンと一緒にすんじゃねぇよ。俺は、は、走れればそれでいいん、だよ」
よっぽど全力で走ったのだろう。
息も絶え絶えに聡太は空に言い返す。

空は無言で聡太の顔の近くまできて、
空「誰が化け物よ、誰が」
その小さな手で聡太の頬を引っ張る。

聡太「い、いてぇ、てめ、やめりょ」
慌ててもがくも力が出ず空のなすがままになる聡太。

空「可愛い乙女を化け物なんて言った罰よ、罰。当然でしょ♪」

ようやく聡太の頬から手を離し、隣に腰かける空。

起き上がり恨めしそうに隣の空をみる。
聡太「何処の世界に男子と同じペースを平気で何本も走る女がいるんだよ」
悪態をつきながら頬を擦る。

空「あんたが女みたいにか弱いだけでしょ」
もう一度つねってやろうかと手を伸ばす空。
慌てて聡太は両手で頬を守る。

聡太「うわ、わ、わかったよ。悪かったからもう辞めろよ」
かなりつねられた事が効いたようだ。

空「ふん、馬鹿な事言ってるあんたが悪いんでしょ。」
手を戻し体育座りで膝に顔を乗せ聡太を睨む空。

聡太「わ、悪かったよ。そんな睨むなよ」
すっかり機嫌を損ねてしまった幼稚園からの幼馴染みに聡太はもう一度謝る。

空「別にあんたが私の事悪くいうのにはな慣れてるわよ。私が怒ってんのは別のことよ」
聡太の方を見ずに自分の足先を見ながら呟く。
「は、どういうことだよ?」
聞いても空は答えない。

聡太はそんな空を訝しげに見ながら、自分の横に置いたのペットボトルを
バックからだし飲み始める。
空「あたしのは?」
目線だけで寄越せと言っている空に対し聡太は、
聡太「いや、自分で買えよ。これぐらい」
と空に見えない反対側に置いた。

空「けち」
空は奪われないように隠されたペットボトルを見ながら、聡太に文句をいう。

聡太は呆れながら、
聡太「さっきの別の件ってなんだよ?
俺、お前怒らせることした覚えねぇぞ。」
と言った。

いつももなら、怒らせても空が拗ねてしまう事まではない。
そうなった時は、よっぽど嫌な事があっただけの時だと、幼馴染みである聡太はよく知っていた。

空「あんた、ホントにわからないの?」
下を向いたまま少し寂しそうに問いかける彼女に、どういうことだという表情で返す聡太。

空「昨日のあんたの友達の事よ。どんな
つもりよ」
空は聡太を睨みながら言う。
聡太「は、友達の?…あ、ぁあお前の事をあいつが好きだって件か」
聡太は、やっと空が拗ねている理由を知った。

空「そんな事みたいに言ってるけど、
あんた、何にも思わないの?」
軽そうに話す聡太に苛立ちながらも、
元々鈍感だと知っているので半分諦めながらも聡太に問いかける空。

聡太「は、何が?…
ぁあ、やっぱ本人から言われた方がそりゃいいよなぁ~。俺もそう言ったんだけどよ。あいつ恥ずかしがりやだから」
空の気持ちなど全く気づかず、自分の事が好きなら本人に来させろと怒っているのと勘違いしている聡太。

それをみて空ははぁ~とため息を吐きながら顔を伏せる。

聡太「な、何だよ、そんなに嫌だったのか、俺から言われるの?あいつモテるからやっぱ本人に言われた方が嬉しかったのか?」

勘違いを続ける聡太に呆れて物も言えず黙ったままの空。
聡太「わ。悪かったよ。ごめん。でもあいつに自分で告しろって言ったのに、俺の方が昔からお前の事を知ってるんだからって頼まれちまって」

空「こ、この大馬鹿ぁ。なんで気づかないのよ?こんなに何時も一緒にいるのに。」
空は、勘違いを続ける聡太にイラつきを隠せずとうとう泣き出す。

聡太「お、おい。な、何も泣くことないだろ、泣く事」
急に泣き出した空に慌てふためく聡太。
まだ、使ってないタオルを慌てて空に差し出す。

聡太「ほ、ほら泣くなよ。こんな所で」
慌てる聡太と、泣いている空に気づいた周りの他の部員達。
皆、何事かとざわつき始めた。

空「あ、あんたが悪のよ。ぜ、全部ぅ。」
まだ泣き止まない空の横で聡太はあたふたする。


少し時間が経ち、漸く空が泣き止み聡太は
安心する。
聡太「わ、悪かったよ。まさかそんなに
嫌だったなんて。あいつには俺から断って」

空「そうじゃないって、何度言えばわかるやよっ」
泣き止み、それでも聡太を睨み付ける空。

聡太「じゃあ、ど、どうすればいいんだよ。教えてくれよ。」
いつも強気の幼馴染みが泣く所を
あまり見たことない聡太は、ほとほと困り果て空にどうすればいいか聞く。

それを聞いて泣き止んだ空が勢い良く立ち上がり、聡太の前に仁王立ちをする。
そして、
空「水、喉乾いたから、そのジュース頂戴。」
口を尖らせながら空は聡太に言った。

聡太「あ、ぁあ。判ったよ。俺の飲みかけでよければ」
小さい時ならいざ知らず、間接キスなんて嫌だろうなと勝手に思いながらも、飲みかけのペットボトルを渡す。

空は無言でそれを受け取り、残りのジュースを全部飲み干す。

聡太「あ、おい、俺のなんだけど」
全部一度に飲み干してしまった空をぽかんと見上げる聡太。

空「何か文句ある?」
聡太「いえ、有りません」
まだ怒っているのを察し反論できない聡太

空「そうだ、あんた、その友達に付き合う気が無いって断っといてね」
少し笑顔が戻った空は、飲み干したペットボトルを見ながら聡太に言い放つ。

聡太「あ、ぁあ。判ったよ。でも俺がいうのもあれだけど、ホントに良い奴だよ。」
しょげる友人を想像しながらホントに良いのかと空に問いかける。

空「いいのよ。もっと良い馬鹿しってるから」それを聞いて意地悪そうに聡太を見下ろしながら空は言う。

聡太「は、お、お前他に好きな奴いたの?

そんな事初めて聞いたという表情で空を見上げる聡太。

空「当たり前でしょ。何であんたに言わなきゃいけないのよ。」
まるでわかってない、いつもの聡太に苦笑してしまう空。

聡太「何だよ、それなら最初からそう言えよ。あいつ可愛そうだろ。」
溜め息を吐きながら、元々友人には脈が無かった事を勝手に空のせいにする。
言いづらいという事もあるが。

落ち込んでいる聡太を、笑いと呆れが混じった表情で見ていた空だが、
空「そうだ、これ、間接キスだよね?」
持っていたペットボトルを見つめながら、
ポツリと言う。

聡太「そ、それはお前が勝手にとったからだろ。」
急にそんな事を言われ焦る聡太。

焦る聡太に笑いながら近づき、
空「全然感触解らなかったから、もう一度ね」
と空はペットボトルを聡太に返すふりをして
聡太の唇にキスをした。

空が聡太の唇から自らの唇を離してから
やっと何をされたのか気づいた聡太

聡太「え、あ、お、お前何して」
空「私、好きな奴にしかキスしないの。
例え間接キスでも嫌なの」
聡太から離れ、聡太に今の真っ赤になった自分の顔を見られないように反対を向きながら空は言う。

聡太「え、好きって、え、俺の事?」
鈍感すぎて夢かと思いながらも
自分の唇に当たった柔らかい感触を思いだし、驚きながら後ろを向いている空を見上げる。

空「あ、あぁ。後、昔から好きな人一人しかいないし、初めてだったし。
今日そいつが鈍感すぎて思わずキスしちゃたけど」
自分の唇に残る聡太の感触を、指でなぞりながら嬉しそうに、そして今までの関係を壊してしまった切なさで震えながら話す空。

聡太「あっ」
そんな空をを見ながら、やっと彼女が誰を好きだったのか聡太は理解した。

空「ま、まぁ。そいつは鈍感だし、あたしの事なんか女として見てないし。だ、だからあたしの気持ちにも気付かずに友達の告白なんか言ってくるし」
もしかしたら、これで聡太との関係が終わってしまうかもしれない。
急に涙が出てきてしまった事を堪えきれずに、けれど悟られないように気丈に振る舞う空。

聡太「ご、ごめん。」
ビクッ。
聡太のごめんという言葉に、拒絶を感じ
17年間の人生でずっと好きだった人との
関係が終わってしまったと、空は感じた。
溢れてきた思いは涙となり、止まらない。

空「そ、そう」
気丈にそれだけ言い、この場から逃げ出す為に歩こうと決意するも、震えて足が動かない。こんなに好きだったんだと、また涙がこぼれ落ちる。

お互い沈黙した時間が流れた。
空がやっと一歩踏み出そうとしたその時、

聡太「俺だけだと思った。」
空「えっ」
聡太のそんな言葉に涙を見せないようにしていた空が思わず振り返る。

聡太「な、何で泣いてんだよ。」
まさか、泣いているとは思っていなかった聡太が驚いて空をみる。

空「だ、だってごめんって。」
聡太「え、ち、違うって。ごめんって、お前の気持ちに気づかなくてって意味だよ」
慌てて自分が謝った事を説明する聡太。

驚きと期待とで聡太を見ながら
空「じゃ、じゃあ」
聡太「俺だって昔からお前以外好き
になったことねぇーよ。」
恥ずかしそうに空と地面を交互に見ながら
聡太は言った。

ドサッ!
空は急にちからが抜けその場に座り込む。
聡太「お、おい。大丈夫か」
慌てて聡太が駆け寄ろうとすると、座り込んだ空がばっと抱きついてきた。

聡太「おわっ」
思わずひっくり返る聡太。
空は聡太を芝生に押し倒したまま、前髪で顔が見えない。

聡太「あ、あぶねぇだろ」
空「うるさいっ」
聡太の声に鋭く言い返す空。

聡太・空「な、何だよ。俺が何か、  「今まで、何も、私に何も言ってくれなかったあんたが悪いのよ」えっ、あ。それは」
狼狽える聡太の顔に空の涙がかかる。
そして改めて空の綺麗で泣きじゃくっていた顔が見えた。

聡太「お前っ」
空「黙りなさい」
そういって押し倒したまま、避けられない事を必死に願いながら聡太に再びキスをする。

聡太「んっ」
聡太は空の行動にびっくりしながらも彼女を受け入れた。

空がやっと唇を離した時溢れた涙が
聡太の顔にかかるも、聡太はもう気にしなかった。
聡太「普通、こういうのって男からするもんだよな?」
笑いながら空をみる。

空は驚きながらも、
空「あんたが、鈍感だからでしょ」
少し嗚咽しながら空は笑った。

空の涙をタオルで拭ってやりながら聡太から今度はキスをする。

空「え、ぅん」
空は驚きながらも受け入れた。
キスが終わると空は聡太に抱きつき、
嬉しさのあまり、彼の胸元で泣いた。

長いキスの後、二人は並んで座り、沈み始めた夕焼けを見ていた。
空がポツリと言う。

空「聡太、ホントにあたしのこと好きなの?」
あの時は嬉しさのあまり彼の胸元で泣いてしまったが、ホントに好きで居てくれたのか不安になった空が横目で聡太を見る。
全くそんな素振りが無かったからだ。

聡太はキョトンとし、その後笑い始めた。

空「な、何笑ってるのよっ。あ、あんたやっぱり」
急に笑いだした聡太を、怒りながらも
やっぱり嘘だったのかと振り上げた手の
行き場に困る空。

そんな空に聡太は、
聡太「お前こそ、全然俺の事なんか眼中に無いと思ってたよ。」
と、笑いながら言った。

空「へ、そうなの?」
呆気にとられ、さっきの不安など吹き飛んでしまった。

そんな空を面白そうに見ながら聡太は
聡太「そうだよっ。いっつも人の事馬鹿にして、からかってたろ」
と言った。

空「べ、別に馬鹿にしてなんか。それにあんたと喋りたくて」
思わず本音が出てしまい、慌てて、手で押さえる。

聡太「は?ハハ、そうだったのかよ。なら言えよ。こっちは只、からかわれてるだけかと、お前ぐらいなのに。ずっと補欠のおれをかまってくれたの」
思わずわらいながら空をみる。

空「えっ」
聡太「こんな、俺みたいなヘタレでもお前は何時も側にいて、励ましてくれたろ。
好きにならない訳ないだろうが」

恥ずかしそうに鼻を擦りながら聡太は言った。

空「そ、そうなの?だ、だったら早く、早くそう言いなさいよ。あた、あたしがどんだけあんたの事考えて。それなのに、
あんたは友達があたしの事を好きですって?
知らないわよ、そんなの」

空は驚きと今までやきもきしていた自分は、好きと言えず、ずっと黙っていようとした自分は何だったのだろうかと怒りが溢れ、聡太の頬をつねってやった。

聡太「い、いてぇ」
つねられると思っていなかった聡太が悲鳴を上げる。
それに構わす空は笑い泣きしながら
空は自分の一人相撲ではなく、本当の恋が叶ったことを知った。でも、それを悟られるのはしゃくなので聡太が全部悪い事にした。

おしまい

後日談。
あの後聡太から改めて告白を無理やりさせ
恋人同士になった二人だが、一部始終周りの生徒が見ていたのでそれを弄られ、
自分が大胆な事をしたことも忘れ、聡太を
追いかけ回している空が目撃される。
告白を断られた友達は実は彼女が既におり、その彼女は空の友人だった。
いつまでも好き幼馴染みに告白しない空にやきもきし、自分の彼氏と共に聡太と空をくっつけようと企んでいたのだった。
それを二人が晴れて恋人になった時にドッキリで伝えたが、勿論余計なお世話よと空に叩かれ、アイスを奢らされて泣いている彼女達がいたそうな♪
聡太が足が遅くても陸上を続けた理由は
内緒('ε'*)