地平線に口笛を吹かせて。 | MaTa hAri の日

MaTa hAri の日

みなさん こんばんわ マタハリ です。

芸術 、 写真、 詩、 美しいとされるもの
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何を魅せるか。 そんなブログです

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おとぎ話は描かれた そう美しく

彼 、彼女らは海の民と 呼ばれ
また 海宮の中では
サルーラと 呼ばれている。

私は サルーラ達とよく
泳いだ。
手をたたき 波の強弱に合わせて
連弾をした 。
まるで海の演奏家のように
サンゴが唄い終わるまで…

神殿の門は夜中の7時を超えた
あたりで閉まる。

私は地上の話をした。
彼らは 地上への憧れと
私 以外の人間に対しても
好意を抱くようになった。

彼らに個人的な 名前はなく
見分けるのに最初は苦労したが
同じ時間を過ごす内に
自然と馴染めるようになった。

不思議なものだ…
私 自身が人魚になりたがっている
絵本では 反対のはずなのに

サルーラ達は自由だった、
泳ぎも 美しく
地上に居るときよりも
私は彼らと過ごす時間の
ほうが 鋭利で真っ直ぐな
日光を好むようになっていたのだ

私は海の中を滑る
そして瞳の暗闇へと意識を沈める

すると どうだろう

海の生命が一つ一つ
私に話しかけてくるのがわかる
なめらかな 会話が
耳を包みこむ。
彼らの喜怒哀楽が
水温に混じり合い その言葉にできない
神秘が 私のシナプスを
優しく刺激していった…

あの日以来
私の前にサルーラ達は
姿を現さなかった。

それでも海岸は私たちを求めていた。

だが、混じり気のない 白一色の
コンサート会場は ただの
砂浜へと 切り替えられていた

服のまま 海へ飛びこんだ
そして思いだした
そうだ 私は彼らに会う前に、
この海岸で自殺を測ったことを…
私は彼らの神殿には行けなかったのか

なぜ 命を捨てようとしたのか
分からない
思い出せはしない
なぜだろう。

私はいつのまにか
老けてしまっていた

その身体のまま
瞳の暗闇へと意識を沈める。

手をたたき
波の演奏が聞こえた気がした。

それは はるか遠くで。
地平線のずっと向こう側で。

私は水面で口笛を吹いた
まるで 海の演奏家のように

サンゴが唄い終わるまで…