山田風太郎著:「戦中派焼け跡日記」より
【主題】
敗戦後アメリカ軍は「民主主義」という名の自由を日本人に植え付けようとした。
その自由に対する姿勢として、戦後間もなくの時代には3タイプの人間がいた。
戦後間もなくを生きた人たちはその自由に対して何を考えたか・・・。
①日本は決して真の意味での自由を獲得したのではない。とする人達。今までは目や耳をふさがれた自由だったが、占領軍に与えられた自由が目と耳が開いた代わりに喉をふさがれた自由だ。とする立場。こういうタイプはよっぽどの傑物でない限り、沈黙し胸の内で慟哭をする。
②権門に阿諛する人間。このタイプは二つに分かれ、一つは個人的打算と個人的卑怯に依って勝利者に追従するタイプと思想もなければ信念もなく、本能的に強者の太鼓を叩いて有頂天になれる人間。
③純粋に真の自由が来たと信じている人間
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直感的に②の人間が多いと思いましたが、実際に本の中でもそうありました。
生きる為に仕方なく、というのは①のタイプでしょうが、圧倒的な②の勢力の前に潰されてしまったのでしょう・・・。③のタイプに関しては筆者は直言を避けています。ただ、彼らの言うような本当の自由が実現されるのならばどんなに素晴らしいか・・・と説明をしています。
筆者はこの日の日記をこう結んでいます。
日本は決して「自由」も「平和」も獲得していない。客観的情勢は冷酷に、日本のゆくてに暗い寒々とした墓場を示している。このことを、日本人が明確に、徹底的に知った時でなければ、日本は再起出来ないであろう。
なんという先見の明でしょうか。
今の日本は仮初の「自由」と「平和」のもと飼い慣らされた犬と一緒です。
長引く停滞の時代、未曾有の大災害を経て、始めてこの言葉が身に染みる思いです。
戦後レジームとは人間の弱さそのものを示す言葉なのかもしれませんね。
まだまだ読書は続きます。折に触れてこの本は抜き出していくと思います。
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図書館でも蔵書があると思いますので、是非それを機会にしてもらえたらな・・・と思います。
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