★この話は以前から出ていて、放送局を監督する総務省では、既にAM(ラジオのバンドスイッチでいうと、AM/MW-中波放送:以下同じ)の試験停波のスケジュールまで発表しています。しかし、あらゆるものを破壊し続ける新型コロナが、ついにAMラジオ局にまでとどめを刺したのか??
北海道の2社と秋田県の1社は、放送地域が広いのでFM転換は行なわないということですが、沖縄は大丈夫なの?現在も、主要な島には中継局を置いているので問題ないのでしょうか。
もっともFMに転換するといっても、各社ごとにカバーエリアも地形特性も地域(リスナー?)特性も異なるので、FMをメインに一部AMを残さざるを得ない社もあるとは思います。このあたりの運用方針の詳細は、既に総務省から資料が公表されています。
民間ラジオ放送事業者のAM放送のFM放送への転換等に関する「実証実験」の考え方(令和2年12月)※PDFファイル注意
また、↑のNHKニュースの記事にもありますが、現状ではNHKはAMラジオ放送を継続すると発表しています(ただし、2025年度にR1+R2の2波から、AM1波に再編する方針はある)。
既に民放AMラジオはすべての都道府県でワイドFMによる放送を行なっています。
ニッポン放送のワイドFMについての特集サイト(下のほうに全国のワイドFM周波数一覧もあります)
音質はよくなり、番組もステレオで聞けますし(一部除く)、海外からの混信や電気ノイズに悩まされることも少なくなる・・と、一見いいことばかりのように思えますが、いろいろ問題が隠れています。
まず、越境受信がしにくくなること。今は夜になると日本全国、いや近隣諸国の放送もAMラジオ1台で楽しむことができますが、FMに転換するとこれができなくなります。越境リスナーはradikoプレミアムなど、有料のネット配信に頼ることになるでしょう。越境受信を楽しんでいる人は、AMで聞けるうちに存分に楽しんでおきましょう。
次に、地域や地形によってはFMだと、カバーエリアに穴ができてしまうこと。もちろん、FMなら必要な地域にピンポイントで機動的に中継局を置くことができますが、FM転換する局が増えると周波数の空きがなくなり、近隣との混信ですべての需要を満たすのは難しくなる可能性もあります。
あと、今のワイドFMでも問題になっていますが、古いラジオでは90MHzまでしかカバーしていない、また感度や混信除去能力が低くて、FM局が増えた場合に対応できなくなるものもありますので、古いラジオは買い替えを覚悟しないといけないかもしれません。
また、電波法の規定により、送信所が廃止される(放送を停止)と1か月以内にアンテナを撤去することになっています。さっきの越境受信の話ではありませんが、AMラジオ局の送信アンテナを眺めたい&撮影したい人は、今のうちに送信所巡りをしておきましょう。