どうもー! コウジロウです
日本の便器は、1980年代後半あたりまでと比べ飛躍的な進化を遂げています。進化の内容は、いくつかありますが、ここでは2点に絞ってお話しを進めたいと思います。
*・*・*・*・*・*・*・*
〈その1 超節水型になった〉
〈その2 配管工事不要の便器が出た〉
*・*・*・*・*・*・*・*
〈その1 超節水型になった〉
トイレで用を足した後、水を流しますが、1980年代と今では、使う水量が大きく違います。
1980年代 今
(大)13リットル → 5リットル
(小)10リットル → 4リットル
節水(単位リットル)は、だいたい下記の水量で推移しています。
(大)13→10→8→6→5
(小)10→ 8 →6→5→4
実に、使用水量が半分以下になっているのです。さらに、今ではもっと少ない型もありますが、今回はこの節水型で話しを進めたいと思います。
メーカーによって若干違いはあるものの、この節水型にすると、一般的な4人家族で年間1万円以上の節約になります。これは大きなメリットですね。
〈その2 配管工事不要の便器が出た〉
便器は、床下で排水管に繋がっています。
昔と今の便器では、この床下に落ちる位置が違います。今の便器は、便器のうしろから20㎝の位置に排水が落ちるように作られています。
これに対して、昔の便器は30~55㎝ぐらいです。ここでは、昔の便器は50㎝として話しを進めます。
↓つまり、こうです
本来の便器交換では、便器を外した後、排水管の位置を変えます。50㎝の位置にある排水管を、20㎝に変えるのです。
こんな感じに
これをやるには、床を開けて配管工事をしなければなりません。排水管の位置を変えたら、床をふさぐ工事も必要になります。
実は、これらの工事がいらないという、画期的な便器が2000年くらいからでしょうか、世の中に出てきたのです。
断面で示した画像を拝借させて頂きました
便器本体の下に、画像のような配管部材が入るようになっていて、長さは自由にカット出来るようになっています。
なので、床を開ける工事をしなくても、便器交換が可能になりました。リフォーム用便器などと、呼ばれたりしています。
工事費が多少安く上がり、お客様にとってはメリットですね。
〈超節水で配管工事不要の型のデメリット〉
ただ、一点だけ注意点があります。
それは、
詰まりです。
超節水型は、当然ですが流す水量は少なくなります。
また、リフォーム用便器は、付属の配管部材の径が細くなるので曲がるポイントで水流が弱くなりやすくなります。
『水量が減る』『水流が弱くなる』・・・でも、排泄物やトイレットペーパーの量は変わらない。
この条件では、今までより詰まりの可能性は高くなります。
特に、築年数の古い建物などは、排水管がたまに下流側が高くなっていて、流れが悪い場合もあるので、極端な超節水型にするにはリスクがあります。
2007年くらいまでは、節水と言っても、各メーカーでは(大)8リットル、(小)6リットルが主流だったので、節水+リフォーム用便器を取り付けても、水量的に問題はありませんでした。
でも、リフォーム工事で今の超節水型+リフォーム用の便器をつけるには、排水の流れを事前によく調べた方がいいでしょう。
また、使い方も重要です。
・トイレットペーパーを少なくする(洗浄便座を使うと激減します)
・流せるシリーズのものを極力流さない
・トイレットペーパーはシングルにする
これだけでも、詰まりのリスクは軽減出来ます。
決して、超節水型やリフォーム用便器を否定しているのでは、ありません。むしろ推進したいぐらいです、時代的に。ただ、使うにあたって気をつけないと、ということです。
実際、節水型に替えて、私のお客様の中でも、詰まってしまった方がいらっしゃいます・・・
色々な家に現地調査で伺うと、中には他業者と相見積もりになるケースもあります。
そして、意外と普通にリフォーム用便器を勧められています。
『これでしたら床を開けず、大工事にはなりませんよ』
『工事費を安く出来ますよ』
確かに、言っていることは嘘ではありません。ただ、どれだけの業者が排水管詰まりに思いを馳せているか・・・
設置の際にはご注意を
ではまた!