こんにちは。
やっとというか、寄り道ばかりして、なかなか書けなかった「感染しないための免疫力の上げる方法」の続編です。
新型コロナウィルスに関して、知っておくべき事を書こうと考えていたら長くなりました。
このレポートは、神経機能医学講座に参加している先生方やそのご家族にも好評とのことで喜んでいます。
いま、新型コロナ対策で休講中のNExT-Institute・神経機能医学講座を再開するときには医療関係者向けのアドバンスコースで神経学的免疫療法の講義を行いますので、さらに詳しく講義していきますのでお楽しみに。
一般の患者さん向けに出来るだけ専門用語を使わず、分かりやすく書いていきます。
★感染しないための免疫力の上げる方法
以前、書いた要因は次の5つです。
1,睡眠
2,運動
3,栄養
4,休養
5,ストレスを溜めない
(自律神経の調整が重要)
最近の研究でもう少し増えましたが、大まかにはこれで良いでしょう。
3年前ぐらいに研究所で患者さんにお渡ししていた「自分で出来る自律神経調整法〜自律神経調整19ヶ条」という冊子(9回改訂)がありますが、それを基本として、さらに加筆修正していきます。
まずは、1番目の「睡眠」です。
免疫力を上げるためには、「睡眠」が非常に大切です。
睡眠不足は、スポーツのパフォーマンスを下げ、疲労が回復しないことや、認知機能が低下し仕事の効率も極端に低下します。
イギリスBBCによると
オンタリオ州ロンドンの脳精神学会を拠点に活動する英国出身の神経科学者、エイドリアン・オーウェン教授の研究によれば、
「意思決定や問題解決、記憶で極めて重要として知られる前頭葉と頭頂葉の活動が、ぐっと減ってしまう」
何より、誰でも睡眠不足のあとに仕事の効率や運動が旨く行かないことは経験があるでしょう。
これは脳の機能が著しく低下している証拠です。
(左は通常の睡眠を取った場合の脳、右は睡眠不足の脳 :
イギリスBBC NEWS)
上記のMRI画像はオーウェン教授ご自身のものです。
明らかに、睡眠不足の脳の血流がほとんど無く、脳活動が全くありません。
それだけではありません。
睡眠不足は、脳震盪と同じダメージを受けることが、スタンフォード大学の研究で分かっています。
「アイトラッキング・テスト」という、小さな黒点を目で追わせることで脳の動きを計測するテストがあります。それでテストすると脳震盪を起こしたアメリカンフットボール選手はテスト結果が著しく悪くなります。
スタンフォード大学では運動部の全選手にこのテストを義務づけているのですが、
水泳や陸上の選手でも「脳震盪を起こしたアメフト選手」と似たテスト結果を計測することがありました。
スタンフォード大学スポーツ医局アソシエイトディレクターの山田友生氏によると、
衝突が少ない水泳や陸上の選手なのになぜ??
と思って脳外科のドクターにデータを送ると、「この選手はスイマー? なら、睡眠不足かどうか聞いてください」とのこと。
スタンフォード大学の脳外科では、睡眠不足と脳震盪による脳のダメージは同じであると認識されています。
睡眠不足によって脳機能が低下し脳だけでなく身体の疲労がたまってきます。
身体の筋肉や関節も硬くなり関節の可動域さえ小さくなっていくことが分かっています。
さらに、
運動したときの心拍数が、すぐに下がらない事も分かっています。
心拍数を制御しているのは、自律神経です。
詳しいことは、字数の関係でここでは書きませんが、自律神経と身体の免疫力は密接な関係があります。
(神経機能医学講座では講義します。)
睡眠不足と免疫について余り論じられることは見かけないのですが、免疫学では睡眠不足により脳機能が低下すると免疫力が低下することが分かっています。
つまり、
ウィルスに感染しやすくなってしまいます。
★具体的にどうするのか??
人にもよりますが、
一般的には適切な時間とされる7時間〜8時間
は取らないといけません。
でなければ、脳の疲労が取れず免疫力が下がってしまいます。
かといって、長く寝ればよいというものでもありません。
9時間は寝過ぎです。
思春期では、何時間でも寝れる子がいますが、寝過ぎです。
これも良くありません。
そして、重要な事ですが
就寝時間と起床時間も重要です。
夜12時までには就寝し、朝9時までには起床しないと、体内時計が狂ってしまい、自律神経を狂わせて免疫力が低下します。
原因不明の症状に見舞われる人も多いのです。
まずは、適切な睡眠ですよ!!!!
