熱中症 –予防のポイント-

さて、今まで「熱中症」の症状についてまとめを書いてきましたが
意外なことに誰も自分の症状を「熱中症」と思っていないところが恐ろしいのです。
それで症状が進んでしまいます。

◆ 外出時の体温
 営業マンの方が酷暑の昼間に外を歩くと体温は簡単に37度を超えてきます。
それでオフィスに戻って室温が28度では、37度をはるかに超えた体温が下がることはありません。
本来、室温が25度くらいでないと外出から戻った人の体温は下がりません。
もはや、「熱中症」を発症する条件は十分です。
ですから自分で水分補給などの自己管理をしないと、気がついたら「熱中症」になっています。

今回は、予防法をまとめてみました。

◆ 熱中症の予防ポイント

1,睡眠不足や過労を防ぐ
まずは、睡眠不足や過労を防ぐ必要があります。
疲労が蓄積し、温度と湿度が高いとことのほか簡単に「熱中症」の症状に見舞われてしまいます。
これは疲労によって、身体の調整機能が失われているからです。
こういうときは適度に水分を摂っていても、「熱中症」になります。
寝るときに温度が高ければ、エアコンを使うべきで、28度設定では温度が高すぎます。
26度程度が良いでしょう。
温度を感じる程度、つまり、冷え性の人などは、個々人の体調に合わせて設定して下さい。

2,通気性の良い服、帽子の着用
当然ですが、外出時は通気性の良い服、帽子の着用が必要です。
女性の方では、「髪型が崩れるので帽子は嫌!!」と言う方がいますが、そういうときは日傘を。

3,水分の補給
喉が渇いていなくても、定期的に水分を補給する必要があります。
逆に「喉が渇いた」と感じたら、すでに水分不足に陥っています。
お仕事でオフィスなどにいても、最近では節電で28度設定のところが多く、この温度では脱水状態になる可能性が高いので、積極的な水分補給が必要です。

4,室温の管理
私の研究所では、官公庁の患者さんに「熱中症」を多く診ます。
頑なに室温を28度設定にしているからで、しかも、エアコンが老朽化しているところが多いので室温は28度どころではありません。
また、エアコンの温度設定が28度でも、部屋の温度は場所によってかなり違います。
窓際などのエリアは、30度を超えていることが良くあります。
室温に対して自分の意見が通らない場合、水分補給はもちろんですが、パソコンのUSB接続の小型扇風機を置くなどして自衛するしかありません。

5,年齢の考慮(高齢者と赤ちゃん)
小さいお子さんや高齢者は、熱中症になりやすい。
特に乳児や幼児の場合、外気温が体温と同じになると非常に「熱中症」になりやすいのです。
また、高齢者は、暑いと感じない方が多いので熱中症になりやすい傾向にあります。
どうも、センサーがうまく働いていないようです。
また、特に地面がアスファルトで街の真ん中の場合、ベビーカーに乗せた乳児の地面からの高さでは、気温が36度もあれば、赤ちゃんの高さでは40度以上になります。要注意。

6,栄養に注意する。
昔から「夏バテ」になると「食欲不振」になり、「おかゆ」や「そうめん」ばかり食べる人が多いのですが、それではタンパク質やビタミン、ミネラルが完全に不足し「夏バテ」を促進してしまいます。
いわゆる「夏バテ」は、医学用語ではありませんが、これは「熱中症」と考えて良いでしょう。「熱中症」になれば、「食欲不振」になりますので、「そうめん」ばかりになるわけです。

7,パパイア、マンゴーは消化に役立つ。
ですが、だからといって「そうめん」ばかり食べていると一向に体調は回復しないでしょう。
熱中症に対する体調管理につとめれば、食欲も戻ってきます。

 あまりに食欲不振であれば、パイナップルやマンゴーなどと一緒にお肉料理を食べれば胃がもたれません。
そうなれば、タンパク質やビタミン、ミネラルも摂取出来るようになりさらに体調が良くなります。
もっとも、酷暑にはサプリメントで摂るのが一番効率がよいでしょう。

次回は栄養面から考えてみます。
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