まずは、以下の記事を見ていただきたい。
 
「6月末までに熱中症で搬送された人数は4278人。昨年の同時期に比べると、なんと約2.2倍にもなる。」

「近年で最も暑かった2010年は、国内の熱中症による死亡者が過去最多の1718人にも上ったが、恐ろしいことに今年はこの年よりも上回る可能性が高いという。」

「その2010年でも6月の搬送者は2276人に止まっていました。このままのペースでいけば史上最悪の数字になるのではないかと危惧しています」(消防庁関係者)


「今年1月、NASA(米航空宇宙局)の科学者らが「2013年は過去最高の暑さになる可能性が高い」と発表しているのだ。現にアメリカのネバダ州やカリフォルニア州では6月の気温が観測史上最高を記録している。」

「気象庁の予報ではこれから7月中旬にかけて、全国的に30度を越えてくるといいます。注意するのは昼間だけではありません。特にお年寄りは冷房を入れずに寝てしまい、夜間に室内で熱中症になるケースが多々あります。もしも熱中症にかかった時は、慌てて水だけを飲むのは絶対にダメ。体内の塩分が一気に薄まり痙攣をおこしてしまいます」
(順天堂大学:稲葉名誉教授)

 

過去に二度、熱中症にかかり病院に搬送された作家の松井計氏はこう警告する。


「私は、熱中症になった時に大量の水を飲んでしまった。そのせいで足がつり、うまく歩けず、首や指が痙攣し、救助を求めたくても携帯すら使えなかった。本当に死ぬかと思いました」

 

熱中症はこまめな水分補給や室温管理(28度以下)などで予防が可能だ。兆しが現れたら水ではなく、塩分も一緒に摂れるスポーツドリンクを。
                                    (以上、週刊文春)
と言うわけで、ここでスポーツドリンクというキーワードが出てきました。
今回は、これと絡めて「熱中症」の一つである「熱疲労」について考えてみましょう。

前掲の文面にもありましたが、熱中症の徴候があれば塩分も取れるスポーツドリンクをとるべしとの指摘がありましたが、前回まで書いていた「熱虚脱」、「熱失神」に関してはそこまで書いていませんでした。

書いたとおり、これらのレベルではそれほどスポーツドリンクというレベルでなくても何とかなります。
もちろん、水分をとらずに放っておけば重傷化します。
そうなったときに、さらに症状悪化したときの状態を「熱疲労」というのです。
こうなると今まで述べたやり方ではダメなのですよ。


◆ 熱疲労

「熱疲労」は「熱虚脱」がさらに進んで起こる症状です。
症状的には、「熱虚脱」の症状がさらに強くなり、「熱虚脱」の症状がさらに強調されるのです。
さらに、強い目眩、吐き気、嘔吐、疲労だけでなく、「熱痙攣」が起きてきます。
体温は、普段と変わらないか、少し低くなっている事が多いのです。


◆ 熱痙攣

「熱痙攣」とは何でしょうか?
イメージしやすいのは、「こむらがえり」です。
突然、足のふくらはぎが攣(つ)ってしまうあれです。

そのほか「筋痙攣」は、
筋肉痛や筋痙攣なども起こります。
アスリートに身近なのは、ハムストリングス筋(太ももの裏の筋)の筋痙攣ですね。
これも運動後になりやすいのです。


◆ 水だけ摂っててもダメ!!

これらの症状は、基本的に発汗によって失われた水分やミネラルの不足によるものです。
ミネラルと言えば、夏は水分と共に塩分をとると良いとされるのはそのためです。
塩分(Na)は、ミネラルの内の一つで発汗によってもっとも失われやすいミネラルです。


◆ 熱疲労の対処法

この「熱疲労」の状態になった場合、真水をとることは良くありません。
なにせ、ミネラル不足なので、「真水」を飲むと余計に塩分などのミネラル濃度が下がってしまって症状が悪化します。

また、汗を拭かないでそのままにしておくと本格的な「熱中症」となってしまいます。
汗を拭くだけでなく、汗でビッショリになったシャツなどは、着替えるべきです。

身体をクールダウンして、真水ではなくミネラル分を補給できるスポーツ飲料を摂取しましょう。
あまりに吐き気や嘔吐がひどいときは、病院で点滴を受ける方が速く良くなります。


◆ 熱痙攣の対処法

「熱痙攣」は、筋肉痛や筋痙攣、こむら返りから肉離れまで起こる筋肉の痙攣です。
対処法は、上記の「熱疲労」の対処法と基本的に同じですが、筋肉の微細な損傷を起こすでしょうから数日経っても筋肉痛が残ることが多いでしょう。
ですから、ビタミンのB群の摂取が欠かせません。
また、糖質とタンパク質の摂取も有効です。
オレンジジュースやアミノ酸、プロテインが,良いですよ。

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