前回、私の研究所に「ジストニア」の患者さんが

来院することが多く

その来院される患者さんたちの中には、「統合失調症」の方が

かなりの数でおられると書きました。

それで「ジストニア」に治療をしていると

「統合失調症」に関しても改善が見られると書きました。

今回は、まず久しぶりに「ジストニア」について書いてみたいと思います。

一般の方には、聞き慣れない病名かも知れませんが

この疾病で苦しんでいる方は、多いのです。

前回も書きましたが、中枢神経系の障害により、

筋肉の緊張が異常に亢進(強くなること)して、

異常な姿勢をとっている状態を「ジストニア」と言います。


つまりは姿勢異常や、全身あるいは身体の一部が捻れたり

硬直、痙攣といった症状が起きるのです。

日本神経学会の用語では「ジストニー」と表記されます。

まとめると、不随意(本人の意志に関係なく)で、

持続的な筋肉収縮にかかわる運動障害の総称です。

異常箇所は、全身だったり、頚部(首)だったりします。

私の治療室に来られるジストニアの患者さんは、多くの割合で頚部の問題である

「痙性斜頚」となっています。

簡単に言うと、首が曲がったままになります。

大体、何かの刺激を受けると首が曲がっていくのですが、

曲がったままの方も多いのです。

一般の病院などで検査され、診断される原因としては、

「遺伝性ジストニア」「脳性麻痺」「書痙」「痙性麻痺」となります。

※ 書痙:字を書くとき手が震えたり、痛みが出てまともに書けない状態。

なぜか、名前を聞くと「ああ、そうなんだ・・・。」なんて

何となく納得している方が多いのですが、

しかし、これらの病名は、なんら病気の原因を示していません。

これらの病名は、現象を示しているだけです。

それに対して予想される神経学的な病変部位は、

主に「大脳基底核」と「感覚系」ですが、主には「大脳基底核」となります。

これらは、普段私たちが意識していない行動をコントロールしています。

そしてこの部位に異常が起こると、自分で意識していないのに

勝手に動いてしまうのです。

続く。