前回、漢方医学の成立について触れました。

今のところ、物証に近いものがありますが

空想です。

ところで、

NExTでは、この漢方医学を現代的医学、

特に神経生理学的に研究し、

その作用原理と運用についてある程度成果を

得ることが出来ました。

ですから、痛いところに「ハリ」をうつという事ではなく、

漢方医学で言うところの陰陽五行論による運用のような

根本的な治療を神経生理学的に行えます。

まず、漢方医学の概略から説明しましょう。

漢方医学の陰陽五行論としての治療についてですが、

漢方の針治療は、痛いところにハリをうつという単純な方法もありますが、

しかし、

それでは、漢方医学としてみても根本治療にならない。

のです。

本来は漢方独自の検査である

脈診(脈をみる)、舌診(舌を見る)、腹診(腹部を見る)

など、独自の検査により陰陽五行論に当てはめ、

相生相克の法則(ややこしいので説明は省きます)をもって

特定の経穴(つまりツボ)にハリを打つ

高度な?(本来はこれが本当)やり方があります。

たとえば、

同じ症状であっても患者の病状の診断によっては

ハリを打つ箇所が、全く違うのです。


これはその古典的原理は別にして、

「現象は同じであっても、原因は違う」

という、非常に優れた考えに則っています。

これは古来から流派も存在し

少しずつやり方が違ったり、秘伝なるものまであります。

これらは鍼灸の専門学校に行っても習うことはなく

専門学校をでたからといって知っているものではありません。

志の高い鍼灸の先生方は、自分で師を捜し学ばなければなりません。

しかも、そんな古典の秘伝を伝えている人は極めて少ないのです。

私の場合、一番最初は600年伝わる家伝の活殺術から学びました。

この場合、「治し方」と「敵の倒し方」ですが、

「治す事」と「敵を倒す事」は、表裏一体なのです。

ここをこうすれば、

このような症状が出て、

そして死に至る。

と言う事は、

ある症状が、この技における発症とよく似ているとしたら

経験上、その人体の急所がその症状に関係しているのではないか??

そのような長い経験によって

積み重ねられてきたのです。

これも立派な哲学としての「演繹法」ですから

科学と言えない事ではないでしょうね。