こんにちは。ニューヨークで役者やってます、まみきむです。
NYアクターの生活、オーディション、現場での様子、また独断によるツッコミなどをお届けしています。
少し前に遡る…急に来たオーディションを、サクッと3テイク限定で録画して送ったらなんと受かってしまい(過去記事参照)、そのまま衣装合わせやTable Readを行った(過去記事参照)「一発台詞」の短編映画のプロジェクト…いよいよ撮影日となった…
撮影はなんとニュージャージ州…その前に、タレント専用のVanは出せないので、クルーと一緒のVanに乗るか、もし自家用車がある人はそれを使うようにしてほしい…と、セカンドADから言われていたのだが、私は車が無いので「クルーと一緒のVanで行きたい」と返事する…すると前日にそのVanのピックアップ場所とコールタイムなどの情報が送られてきた…
現地のコールタイムは8:00amだが、Vanは7:15amに出発する…まぁ、州外である事を思えば、そんなに悪くない…それがその夜にコールタイムが30分遅い時間に変更になった…私のVanが出るのは7:40am…そこでそれに合わせて目覚ましを掛け、翌朝は朝の5時過ぎに起きた…6時半には家を出なければならないからだ…ところが、その朝メールをチェックすると、なんとコールタイムはさらに1時間遅くなり、Vanの出発時間は8:40am?!…それもっと早くに言ってくれたら、もう1時間余分に寝ていられたのに?!…しかしその変更の通知は夜中の12時以降だったから、恐らく撮影が遅くに終わり、10時間間を空けなければならない事に気づいたのだろう…
まぁ、そのおかげでゆっくり朝ごはんも食べられ、かなり早めにVanのピックアップ場所に到着した…
ピックアップ場所はマンハッタンのとあるホテルの前だったのだが、ホテルの前だけに「車を待っている」と思しき人達がたくさんおり、次々にホテルの前に止まった車に乗り込んでいく…その時に私は自分の乗る予定のVanがどういうものなのか知らない事に気がついた…普通プロダクションのVanは黒いVanと決まっているのだが、これはインディ系プロダクションである…ひょっとして小型のVanなのか?あるいは色は?黒?白?…幸いドライバーの連絡先はもらっていたのだが、今電話して運転中だったら困るので、その出発時間まで待つことにした…
すると、少し離れた所に、明かにホテルの客とは違うな…という雰囲気のオッチャンが立っている…どうもあの人も映画の関係者っぽいオーラを発しているのだが、しかしクルーにしては年食ってるし…どうなのかな…と遠目に見ていると、その近くに2人の若者が同じく車を待っていた…これはなんとなく映画のクルーっぽいタイプである…そこでその若者達の動向をさりげなく追っていると、ある時彼らが道を渡って向かい側に行く?!…そこでついて行くとそこにプロダクションの黒Vanがあった!…そこで念の為「これは〇〇のVanですか?」と聞くと、ドライバーさんも「まみきむ?」と言う?!…ビンゴ!…無事Vanに乗り込めた…
すると、さっきのオッチャンも乗り込んでくる?!…どうやら彼はBGの1人だったようだ…そうか…どうも馴染みのある雰囲気だと思ったら、BGか?!
謎も解け、目的地まで小1時間、半分うとうとしながら車の揺れに身を任せる…その時、近くに座ったそのオッチャンが私に「君もBG?」と当然の様に聞くので、「いえ、私はキャストです。」と言ったものの、キャストとはいえ一発台詞…実際はBGとそんなに変わり無いんちゃうかな…という気がして、何だか返って卑屈になった…
やがてVanは目的地のベース・キャンプに着く…そこにある大型トレーラーからセカンドADさんが出てきて「おはよう、まみきむ!」とにこやかに私を迎え、トレーラーの中へ誘導してくれる…私がトレーラーに乗り込むと、オッチャンも私の後をついて乗り込もうとするのに、セカンドADさんは「Not you!(あんたはダメ!)」と即座に追い払う?!…たとえ一発台詞でもプリンシパルはトレーラーの中に入れるが、BGは入れない?!…おそらくBGのホールディングは別な場所に設置されていたのだろう…その予想以上の厳しい階級制度に、思わずドン引きした…
私がトレーラーの中に入ると、ADさんは「朝ごはんのサンドイッチがそこにあるよ」と私にはにこやかに…丁度お腹も空いていたのでありがたくハムチーズサンドを頂いたが、あのオッチャンはちゃんと朝ごはんにありつけたのだろうか?!…普段はあちら側にいるだけに、この扱いの差に少し胸が痛む…
しかし自分の朝ごはんはしっかり確保した…
というのもプリンシパルの我々には、やらねばならない事が色々あるのだ…まず、今日撮影する分の最終台本を渡される…時々ここで大幅な変更が加えられていたりする事もあり、場合によっては台詞が増えたり減ったりすることもある…私はさっと自分の出番を確認し、出番そのものがカットされていたり、台詞が変更されていない事を確認したら、あとは台本は仕舞い込む…これが一発台詞のありがたいところである…
次に、この前衣装合わせをした衣装に着替え、それからメイクに…そのトレーラーは、普通のトレーラーが2つ繋がったサイズの大型トレーラーで、そこにワードローブ、ヘア&メイク、そしてトイレ、キッチン(カウンターとシンク)、そして小さな長椅子や机などがコンパクトに収まっており、ものすごく機能的である…そして勿論、中はエアコンがしっかり効いている…
コールシートに、私の役名はしっかり「Old Woman」と書かれている?!…やっぱり私、婆さん役かい?!…ということは、老けメイクか…とその覚悟でいたら、まず自前のファンデーションはしっかり拭き取られ、メイクさんが一からきっちりメイクをしてくれる…これがまぁ、どんだけ塗んねん?!…と私などは思うほど、プロは丁寧に土台を作っていくのだが、特に老けメイクにする感じではなく、普通の綺麗なナチュラルメイク?!…しかし私は婆さん役なのだが、ええんかい?!…というか、そういう老けメイク無しでも、私ってナチュラルに婆さんに見えるってか?!
老けメイクされなかった事に返って動揺したが、後にその現場で何が待ち構えているかは、私は知る由もなかった…
(その2へ続く)
★過去記事★


