---前回から続く-----


もともと、フクロウ眼鏡男は、ギャツビー邸の図書室にある蔵書は、全部、「張りぼて」だと思っていました。
本物の本に見せかけて厚紙で作った張りぼてで、中身のページなど無く 図書室を飾ってある」だけだと思っていました。
それは、フクロウ眼鏡男が ギャツビーを 「張りぼての男」だと思っていたからでしょう。
皆が知っているのは、豪勢なパーティーを催す 豪邸に住む 大金持ちの ギャツビーで、
何で金持ちなのか、何者なのか、だれも知らない、得体の知れない ギャツビー
フクロウ眼鏡男は、ギャツビーの家の本なんか、張りぼてだと 思いこんで
にとってみたら、 は、本物の本だったので 驚いたのです。
昔の本は、印刷製本の都合で ページが全部つながっていて、
ナイフでページを切り離さないと読めませんでした。
ギャツビーの本は、ページが切り離されていなかったので、ギャツビーが本など一度も読んでいないのは
一目瞭然でしたが、外側だけの見かけだけの本ではなく、
本物の中身の印刷されたページのある正真正銘の本だったのです。
フクロウ眼鏡男は驚きました。 ”They're real." p.45
フクロウ眼鏡男は、本と同じく、中身のない見かけだけの男だと思っていたギャツビーに、
中身が ある He is real. と、このときに 知ったのです。

ニックのほかに、もうひとり ギャツビーに真実があると気づいていたのは
フクロウ眼鏡男だけでした。

---つづく---