リリー先生
「5年前、ギャツビーとデイジーが出会ったのは 秋 でした。
秋 は、 恋の季節ですか?
ぜんぜん 違いますね。
秋は、これから 冬が始まる季節、冬、それは色の無い 無彩色の死の季節。
秋に出会ったということは、すでに、 この恋の 悲劇的な終末を予感させていますね」
この小説は、ニューヨークが舞台です。
ニューヨークの恋の季節は 夏! 夏だけ!
ニューヨークのラブストーリーは、ひと夏の物語だらけです。
日本では、秋も恋にふさわしいし、
冬は、クリスマスも恋人のものだし、
そう考えると、日本は一年中恋の季節ですね。
NYに住むようになって、秋や冬が恋の季節ではないのがよくわかりました。
寒すぎます。
それに、日本(本州以南?)のように、常緑樹が ほぼ無いので、
本当に、10月頃には ニューヨークは 色が無くなります。
しかも、雪が降りますので、”木の幹の黒っぽい色と 雪の白色”が、
ニューヨークの冬の色彩です。モノトーンです。
今日もニューヨークは寒かったです。今年の冬は寒いです。
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村上春樹版: p.203
原書: p.110中ほどから