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「LADYPEAK」#17

一人部屋に残っていた和代は、床から天井まである巨大な鏡の壁の前に立っていた。
(信じられないわ・・・。本当に、信じられない。こんなことが、本当に起こるなんて・・・。でも、これは紛れもなく現実なのね。素晴らしいわ・・・)
鏡の中の若い女は、自信に満ちあふれた笑顔で、左手のひらをこちらに向けて腕を伸ばしてきた。しなやかな指を広げて、自分の右手と重なる。
少し開いた赤い唇から、白い光沢が覗いていた。
ドアが開く音が聞こえた。
桃葉が部屋に入ってきた。ドアの向こう側へ声をかける。
「春江さん、どうぞ」
一人の若い女があらわれた。
向けられた笑顔は、和代が頭の中に思い描いていたものと、全く同じだった。
まっすぐに伸びた黒く長い髪。涼しげな目元から、整った鼻にかけての抜けるような完璧なライン。薄い化粧は、端整な小顔を際立たせる。
「春江ちゃん!」
久しぶりに会う友人に声をかけるように、和代は女の名前を呼んだ。
「和代ちゃん・・・」
厚みの少ない唇から発せられた声は、見た目よりも少女を思わせる。
ライトグレーのシャツは、スレンダーな体型を強調するようなフィット感だ。黒いショートパンツからは、白い脚が長く伸びる。
その脚がリズムを刻むように歩く姿は、ファッションモデルを連想させる。
巨大な鏡の前に向かって女が二人並んだ。鏡の中で目が合った二つの微笑みは、その静かな美しさで、部屋全体の空気を洗練してしてしまった。




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