「百合子ラヴァゲイン」第十話
暑い・・・・。
暑すぎるわ・・・。
なんで、わたし、こんなとこ歩いてるのかしら?
あっ!
そうそう。アレを買いに行くんだったわ。暑さで意識が薄れ気味ね、わたし・・・。
しかし・・・。
うるさいわ!セミ!!
なんで、こんなにうるさいの?よけい、暑いじゃないのよ。
っていうか、あんなに大きな声で鳴いてて、自分がうるさくないのかしら?
もしかして、セミって耳がないんじゃいの?
って、そんなわけないか・・・。
あのやかましい声で、メスどもが寄り付くっていうじゃない。セミのメスにしてみれば、あのやかましい声が愛のささやきに聞こえるんだわ。
真夏日の セミの喧騒 われ許す
このバカみたいに暑い日に、こんな風流な一句を詠むなんて・・・。自分のインテリジェンスが恐ろしいわ。
ああ、やっとスーパーに着いたわ。
うーん。節電のせいで、イマイチ涼しくないわね。
去年までは、凍死させる気か!?っていうぐらい、寒かったのに。
えーっと、アレアレ。
おっ!あった、あった!
アレ、アッレー、アーレ、アレ♪アレレちゃん!ぼんぼんぼんぼん♪
ん?“ぼん“が一個多くないかい?
さっ、アレも買ったことだし、サッサと帰りましょうかね。
ん?
なになに?催物会場で、なんかやってるじゃない?
冷房器具祭りフェスティバル・・・。
この前の冬に、なんか、おんなじようなことやってなかったっけ?
珍しく時間があることだし、ちょっと覗いてみるとしようかね。
ほほぉ・・・。
エアコンか・・・。
あっ!扇風機が売り切れとる!!この前、テレビのニュースで扇風機がバカ売れしてるって言ってたもんね。
まさか、扇風機自身も21世紀の今頃になって、再びブームが来るなんて思わなかったんじゃないの?
ふーん、“うちわ“ね。そういえば、“うちわ“っていう漢字、あるのかしら?打羽?内輪?まあ、これはこれで、究極のエコかもしれないわね。冷房器具かどうかは別として。
あそこに「団扇」って書いてあるけど、なんて読むのかしらん?
・・・・・。
はっ!!
おっ、おそろしい!おそろしすぎるわ!!
我ながら、自分のインテリジェンスがおそろしいわ・・・。
エアコン。
略して、エコ。
エアコン自体が、略語だったっけ?まあ、どっちでもいいけど。
・・・・・。
ん?んんん?
んーーー!?
あ・・・・。
あの人がいる・・・。
次回予告
やはり、ここに戻ってきてしまった百合子。誰もがどんな内容だったかを覚えているはずがないことをいいことに、力技で物語を展開させていくことに、さらなる満足感すら覚えてしまう。前回で最終回にしようと思ったけど、この予告自体がほとんど前回と変わっていないことにいったい誰が気付くのかわからない百合子が、そこで見たものは!?
次回「百合子ラヴァゲイン」第十一話(一応予定)も、よろしキュン。
銀河の歴史が、また一ページ・・・。
