なにも残らない昔話#26 ~アニキ☆マンマン外伝~ | 「おっちゃん王国」NTG(大人になりきれないおっちゃん)のブログ

なにも残らない昔話#26 ~アニキ☆マンマン外伝~

なにも残らない昔話 ~アニキ☆マンマン外伝~

「お父さん、お母さん。いつも、ありがとうございます」
「急にどうしたんだい、エヌティジ?」
おばあさんは、不思議そうにたずねました。
「いきなり現れたこんなわたしを、本当の息子のように受け入れてくれて・・・。こんなに、平和な時間を一緒に過ごすことができるなんて・・・」
「何を言う、早見優。お前は、わしらの本当の息子じゃ。わしらこそ、こんなに幸せな毎日を過ごせて、お前には心の底から感謝しとるよ。なあ、レイナ?」
「そうよ、エヌティジ。あなたは、わたしたちの自慢の息子。わたしたちは、ずっと家族よ」
おじいさんとおばあさんは、幸せなそうな笑顔をエヌティジに向けました。
「お父さん、お母さん・・・」
エヌティジは奥歯をギュッと噛みしめて、溢れそうになる涙をこらえました。
「行くんじゃな、エヌティジ・・・」
「えっ?」
おじいさんの言葉に、エヌティジは驚きの声を出してしまいました。
「お前がこの世界にやってきたのは、やらねばならんことがあるからなんだろ?」
「・・・・・・」
「わたしたちは、家族よ。遠慮せずに行っておいで。そして、いつでも、遠慮せずに帰っておいで。あなたは、わたしたちの息子なんだから」
おじいさんとおばあさんは、近ごろのエヌティジの様子が微妙におかしいことに気づいていました。そして、それは思春期の中学生男子から漂うフインキとは違うこともわかっていました。そして、別れが近いということも理解していました。
おじいさんとおばあさんは、相変わらず笑顔です。エヌティジも精一杯の笑顔を作って、それに応えましたが、二人の笑顔は潤んだ視界のせいで、はっきりと見えませんでした。
エヌティジと老夫婦が一緒に過ごした最後の時間が、とても丁寧に流れていきました。
こうして、エヌティジにとって、最初で最後の親孝行と親不孝が終わりました。
おじいさんとおばあさんは、いつまでもエヌティジの帰りを待ちましたが、最愛の息子の姿を、二度とその目で見ることはありませんでした。

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※この話が、アニキ☆マンマン#1~ へ続くと思います、多分。

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