なにも残らない昔話#5 ~アニキ☆マンマン外伝~ | 「おっちゃん王国」NTG(大人になりきれないおっちゃん)のブログ

なにも残らない昔話#5 ~アニキ☆マンマン外伝~

なにも残らない昔話 ~アニキ☆マンマン外伝~



おじいさんは、相変わらず就職できません。エヌティジは、せめて自分の食いぶちだけでも稼ごうと、二つのアルバイトをかけもちました。
今日のエヌティジのコンビニバイトは、深夜シフトです。
「行ってきます、お父さん、お母さん」
「気を付けてな、エヌティジ」
「夜道に気を付けてね。オヤジ狩りに会いそうになったら、危ないヤツのフリをして、隙を見つけて、Bダッシュで逃げるんだよ」


エヌティジが勤務するコンビニは個人経営の店で、勤務シフトは比較的自由にチョイスできます。エヌティジは、昼間のホカ弁バイトとの兼ね合いを考えて、巧みにスケジュール調整していました。
バイト先で、余り物や失敗作をせしめることができたため、食費が大幅に節約され、おじいさんとおばあさんは、以前よりも生活が楽になりました。
働き者のエヌティジは、さらにもう一つアルバイトをはじめました。このアルバイトは不定期で突発的に発生しましたが、エヌティジは他のアルバイトよりも、こちらを優先しました。
「行ってきます」
いつものように出かけようとするエヌティジを、おじいさんが見送ります。おじいさんは就職をあきらめて、在宅ワークをはじめたました。そのため、家にいることが多いのです。
「エヌティジ。今日は、遅くなりそうか?」
「はい。今日は早く帰ることができないので、おかあさんと夕御飯を食べておいてください。わたしは、牛丼屋で食べてから帰ります」
おじいさんは、黙々とまじめに働き続けるエヌティジの健康状態が心配でした。エヌティジは、時間があれば家事を手伝ったり、庭の草木や花の世話をしていました。
三人家族の生活は、おじいさんとおばあさんにとって、夢見ていたものとは若干異なっていましたが、とてもとても幸せでした。


エヌティジは、駅前にそびえ立つ高層ビルの前にいます。ビルの入口に会社名が書いたキラリと光るクリスタルプレートがありました。
“ドンソンエンタープライズ“
ドンソンエンタープライズは、業界最大手の世界的な加工食品メーカーです。エヌティジは、巨大な自動ドアをくぐり、中に入りました。
「こんにちは。エヌティジさん」
透き通るような声が、心地よく響きました。受け付け嬢の子畑花梨(こばたかりん)が、キラキラした笑顔を向けています。花梨は、その美貌と気立てのよさで、ドンソンエンタープライズや取引先の男性社員の憧れの的、マドンナ的存在なのです。
「子畑さん、こんにちは。今日もいい天気ですね」
エヌティジに微笑みかけられて、花梨は愛くるしい頬をほんのり赤く染め、うつむいてしまいました。


なにも残らない昔話 ~アニキ☆マンマン外伝~ 目次作りました【クリック】


今回の話は、わたしが大好きなあの美少女【クリック】 とのコメントのやりとりをしているうちに思いつきました。


※この話が、アニキ☆マンマン#1~ へ続くと思います、多分。