ラーメンばかり食べていると野菜不足に陥るが、それを指摘すると「二郎」があると反論してくる輩の多いことよ。私はとても嘆かわしく思う。麺界を代表する「盛りの美学」が二郎以前から存在していたことを、人類は忘れてしまったのだろうか。
タンメンしゃきしゃき@錦糸町
タンメン 700円
このタンメン、冗談抜きで、人生で食べてきたタンメンの中で一番美味いと感じた。人生で食べるタンメンの種類はたかが知れているが、それでも、今まで食べてきたタンメンの中で一番美味かった。食べている最中、箸を止めたり、スープを飲み切らなかったり、ネガティブな選択肢がひとつも浮かばなかった。
掘っても掘っても出てくる野菜を見るだけで、満足感がある。あふれんばかりの野菜でなかなか見えないが、麺はとても太い平打ちで、ほうとうに近い。したがって啜ることは難しく、野菜とともに「食べる」形になる。文字通り、シャキシャキと。
タンメンしゃきしゃきにもうひとつの魅力があるとすれば、それは麺にない。餃子にある。巨大な餃子は、一口食べると、旨味が頭いっぱいにはじける。ピンボールのごとく脳内を駆け回る餃子の旨さは、そのうちにタンメンの印象を外へと弾き飛ばす。
「この店、タンメンより餃子の方がうめぇよ」
Fin.