6月末にホームへ入所してから、1ヶ月半。
あと2ヶ月くらいと余命宣告されてから、本当に2ヶ月で逝ってしまいました‥
真夜中にホームの方から電話があり駆けつけましたが、既に息を引き取っていました。それでも喉のあたりを触るとまだ温かくて、直前まで生きていたことを感じられて、なぜか安心したのを覚えています。
いろいろな想いもありますが‥
今回書きたいのは、『エンバーミング』というもの。
ご存知の方はいらっしゃるでしょうか?
調べると『遺体を消毒や保存処理、また必要に応じて修復することで長期保存を可能にする技法。日本語では遺体衛生保全という。土葬が基本の北米等では、遺体から感染症が蔓延することを防止する目的もある。』とあります。
通常はドライアイスで保全をしますが、今回近隣の施設のスケジュールでお葬式が一週間後になるので、真夏ということもあり、安心してホームに安置するためにお願いすることにしました。
実際の工程は、血液を抜いたり防腐剤を注入したりと可愛そうな気もしましたが、こけてしまった顔をふっくらさせたり、生前の顔色を再現したり、愛用の服を着せたり、ホームで毎日会う母のために、きれいになってもらうことにしたんです。
生前の父は、家族にはお金をかけてもいいけれど、自分にはお金を使いたくない、という人だったので『そんなのいいよぉー』と言ってそう。
完全に、自己満足です
お願いしてすぐ、エンバーマーさんが来て父を引き取り、1日で戻ってきて、元気だった頃に戻ったかのような顔色で、私が選んだスーツを着て、立派になりました
癌患者として過ごした晩年は、きれいな格好をすることもなかった父。大手の自動車会社で活躍した、現役の姿になって、あともう少しだけ。
少しだけの間ホームにいて、毎日会えます。
私たちと同じ、人間の形でそこにいるのに、もう命はないなんて、お線香をあげるたび不思議な気持ちに今はなっています。
エンバーミングのおかげで、生前の父と過ごしているような気がしていますありがたい‥
本当に、やって良かったと思いました。