著者は福岡伸一。久々の午前中の講習が終わり、外に出ると強風が吹いていた。となれば、サイゼリアにでも立て籠もり、再びこの書の続きに更けよう。今日は奮発して(と言っても499円)新メニューの薄切りのパンチェッタのサラダと赤ワインを注文して。
福岡さんは、冒頭からこう述べている。大切なのは、何かひとつ好きなことがあること、そしてその好きなことがずっと好きであり続けられることの旅程が、驚くほど豊かで君を一瞬たりとも飽きさせることがないということ。そして、それは静かに君を励まし続ける。最後の最後まで…
未来を生きるモンスターにモノやお金を託すことは必要ない。いかに人生を愉しく生き抜くかを身をもって教えること。そして、教え育てることは、実は自分が教えられることでもある。子供時代、昆虫採集が好きだった福岡さん、ルリボシカミキリの青に震えた感触が、彼のセンス・オブ・ワンダーだという。彼と同世代の私も、小学校の時は野原を駆け回り昆虫を捕りあさっていた。ある年の夏休み、毎度のことながら最終日になって焦った私達兄弟。急遽、自由研究を昆虫標本と決め、いつものように弟と昆虫採集に出かけた。そして、いざ虫ピンで押さえる段階になって…なぜか心変わりして全部逃がしてしまったことがあった。弟には泣かれた。翌日は、自分だけじゃなく弟の担任の先生へも、頭を下げて謝った。先生にどんなに叱られても、辛くなかった。昨日逃がした蝶たちが野原を飛び回っていることを思うと、何故か辛くなかった。そんな記憶が、先日モンスターと出かけた科学館の標本コーナーを眺めた時に、蘇った。また、弟を連れて猿の惑星を観に映画館へ行き、そのまま彼を置き去りにして帰ってしまったこともあった。こころ優しき姉は、こうした弟への懺悔を抱えて生きてきたというのに、何時だったか当の本人から全く記憶がないと言われて、気落ちした。末っ子長男は平和なもんである。ちょっと脱線したが、冷蔵しなくても、熱処理しなくても、防腐剤を一切使わなくても、ほぼ永遠に腐らない不思議な食品がある。さて、なんでしょ?はちみつの秘密という章で詳しく面白く書かれてるけど、そう、ハチミツである。私は、今朝も友人から勧められた蕎麦のハチミツを舐めてきた(笑)そういえば、以前お店にいらしてくれた藤原養蜂場の藤原誠太さんは、日本ミツバチに魅せられた人間のひとり。講演会では時間を忘れてその魅力を熱く語っていたっけ。いつかまた、お会いしたい。