毎年恒例の、伊集院氏から新成人へのメッセージ 2012(一部抜粋)
「孤独を学べ。大人って何だろう?歳を取れば誰だって大人になる?そんなはずはないに決まっている。こうすれば大人になれると書いてある本はどこにもない。それでも世間には素晴らしい大人とそうでない人がいる。なぜだろうか。たぶん生き方なんだろう。大人になるために何からはじめるか。私はこう思う。自分は何のために生まれてきたか。自分はどんな人になりたいか。それを考えることだ。考えること。その答えを探すことには不可欠なものがひとつある。それは一人で考え、一人で歩き、一人で悩むことだ。孤独を学べ。孤独を知ることは、他人を知ることだ。人間はお金のために生きているのではない。人生は出世したり贅沢をするのが目的ではない。生きる真理を見つけることだ。社会の真実を見る人になることだ。そうして何より明るくて、溌剌とした人になろうじゃないか。明るい人って、見ていて気持ちがいいじゃないか。」
そう、若い頃は、誰でも大なり小なりとんがっているものである それが、年を重ねて、思い通りにいかない人生を経験し、成熟していく中で、いつしか酒は喜びと悲しみの友となる 酒と独り向き合う時・・・酒が呑めてよかったと切におもふ
最近の吉田類ちゃんの酒場放浪記もネタが尽きたのか、再放送のお店が登場するようになった 尤も、永く営業を続けているという点では尊敬に値するが・・・ 来月あたり、東京の下町酒場へ出没しようかと、「下町酒場巡礼」の本を再講読して未開拓のお店探しをする どこも心そそるお店である 木場の河本などは別格、世界遺産に推薦したいお店であるが、下町で愛されるお店の共通するところは、小商いということだろうか それは、自分の手の届く距離、目で見える範囲、体温を感じる圏域、ヒューマンスケールで商いをしていくということ 勿論、大儲けはできないが、ひとつひとつのボトルを拭きながら、ひとりひとりのお客様の顔がこころに浮かぶとき、言葉にはできない幸福感を得られるのは何故だろうか この書のあとがきに、酒場は人生の縮図であるとあった ちょっと大袈裟だが、いい酒場には伊集院氏のいわんとする生きる真理が隠れているのではないか 誰もが抱える憂い そんな憂いを一時、たった一杯の酒が癒してくれるなら 誰しもが今宵はシンデレラになれる