震災後に何かが変わった 善く変わらなければ亡くなった方々に申し訳がたたないけれど 本の読み方もそうかもしれない 昼下がり、武田から貰ったホシヤマ珈琲の優待券を忍ばせて、色川武大との交流を描く伊集院静氏の自伝的小説の傑作「いねむり先生」と新刊「大人の流儀」を手にして、ゆったりと流れる時間をもう二度と戻れない時間をこの宇宙と共有する 伊集院氏もここ仙台にて被災したそうである 「死は哀しいもの 二度と会えなくなるという意味において、それ以上でも以下でもない そのことに気づくにはそれなりの時間を要したけれど・・・哀しみから逃げることはできないけれど、哀しみには必ず終わりが来るんです」 妻だった、女優故夏目雅子さんへの想いを綴った文章であるがこの時期ゆえ心に沁みる ふと小刻みにグラスが揺れた 余震である お店の中にいる人たちにほんの一瞬緊張が走るがもう一度やってくるという大きな余震のときに誰かと一緒にいたいと願う 本震のとき、この私はたった独りであの想像を絶する揺れと向き合った 人間は所詮独りなんだ 世の中は理不尽なんだということを十分わかるほど長く生きてきても、誰かの手に触れ、誰かの声が聴きたくなるときがある 昨年の夏、亡くなった時の父のまだ温かなぬくもりを思い出した この未曽有の悲惨な災害を見ずに亡くなってよかったね、父さん そして昨日、石巻へ帰ったモンスターの笑顔を、車の後ろの窓からその姿が見えなくなるまで手を振り続けたモンスターを思い出していた 「アンパンマンはきみっさ~」と、大好きなアンパンマンの歌を口ずさみながら愉しく強く生きていってほしい いつかは貴方がアンパンマンになるときが来る 共に生きていけることに今は感謝である
最後に佐々木くんが送ってくれた伊集院氏のインタビューを転記します→
「人の行く裏に道あり花の山」これは、相場師の言葉です。多くの人が選ぶ道は、得るものが少ないんです。しかし、流れに乗らず立ち止まり、人とは違う道を選ぶには勇気が必要です。なぜならそれは、孤独の道だから。しかし、大事なものというのは、ひとりっきりにならないと見えないものなんですよ。どうか、孤独に耐える勇気を持ってください。苦節に立ち向かうことを恐れないでください 。