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今日は八十八ヶ所巡礼、会場限定販売ライブDVDをご紹介します。タイトルは「攻撃的国民的音楽祭」。

勿論、最新作の一つ前「攻撃的国民的音楽」のツアー時ライブを収録した物。2014年12月14日、鶯谷 東京キネマ倶楽部で撮影された作品です。冒頭はKatsuya Shimizuのギターソロが続く始まりで、その独特のアプローチ、トリッキーなプレイには耳を奪われます。一曲目は「攻撃的国民的音楽」の最初のナンバー、”赤い衝動”。いきなりアクセル全開のバンドの勢いに驚かされますが、全開に見えてまだまだ序の口の場面だと全編見た感想としては分かります(一曲目ですから:汗)。賢三の複雑なパターンのドラミングには、特に注目せざるを得ません。二曲目に早くも”仏狂”と飛ばしたセトリですね。ひたすらカッコいい曲、特にKatsuyaのフレージング。三曲目は”苦苦★念仏”。「0088」のリード曲で、長尺の構成をライブアレンジでこなすバンドの力量に、今更ながら舌を巻きますね。次は「0088」からの流れで”悪闇霧島”。序盤を定番とは外した曲で温めて行きます。そして、「我々による、貴様等のための…攻撃的国民的音楽!!」という先日のUFO CLUBでも話したMCから、”攻撃的国民的音楽”へ。この映像の時期の最新作リードナンバーで、最近の八十八ヶ所の中ではアンセムと呼んでいい名曲だと思います。それから、1stのレア曲”太陽ヲ盗ンダ男”でコアファンの期待に応えてから、イントロの独特のリズムを刻み、マガレの「我々粋な三人が、粋に奏でる、いきなり奏でる”粋NALI”」というMCから”粋NALI”。この辺は中盤の橋渡し的なセクションで、こういう普通のアルバム曲でさえ記憶に残る良曲揃いという事実を再確認したり。続くは中盤の山場、”SYG88”。イントロで三人のスタンドプレイを順番に回して繋ぐ斬新なアレンジで、全員のプレイヤビリティの高さを否が応でも見せつける箇所。特に賢三の豊富なアイディアは、ドラマーなら注視させられずにはいられない所。そこから、ノンストップで”女性問題ト賭ケゴルフ”へと繋ぐ、ライブ盤でお馴染みの展開。鮮やか。そして更に”オノボリサン”。これに関しては割と地味な曲の印象があるが、セトリにはよく入って来るナンバーで、本人達が好きなのかも。

「攻撃的~」からの”INMY”を恐らくバランス的に後半パートに差し込み、ここからライブは佳境へ。まずは”ohenro3”。ライブではお馴染みのナンバーで、pollyが何度もフェイヴァリットと訴える八十八ヶ所の中でも最高の一曲。勿論、ここでも強靭なプレイで完全なアンセム的盛り上がりを見せ、テンションを高めたまま「ロックンロールだからと言って!!…」の定番MCからの、”具現化中”。圧倒的な曲の力でオーディエンスに熱量を尋常じゃないレベルで伝える演奏。何度聴いても打ちのめされる八十八ヶ所の最重要ナンバーの一つ。そこから、「日本をぶっ壊そうぜ!」というマガレの煽り、君が代斉唱の流れで曲は勿論”日本”。イントロでマガレがベースを置きそれで酒瓶をぶつけて叩き割り、ステージ横の壇に上がって「目ぇ覚めてる!?」とオーディエンスに問い掛けながら煽り。客席の上に立ちながら更にマイクを手に観客を扇情するマガレ。この時の彼の中には明らかにロックスターと呼べる人間の狂気があった。そして、ステージに戻りベースを手に曲に突入。曲の産み出す禍々しいまでの磁場に、頭を振り乱し、身体をぶつけ合いながら踊る観客。バンドは死力を振り絞るかの様にブリッジに突入し、ライブはピークの瞬間を迎えた。「愛国心を個々に持て!」というラインからエンディング。場内は大歓声に包まれる。その次は間がないながらアンコールに入ったと思われるが(マガレが衣装チェンジした為)、曲は”浮世デェト2014”。”浮世デェト”がダンサンブルにアレンジされたバージョンで、新宿ロフトで聴いた物と同じだと思われる。ダンスロックとさえ呼べる曲の変貌振りに、彼等の音楽性の深さを改めて実感したりも。そしてマガレの「また一緒に踊りましょ」との挨拶からオーラス、最後に切ったカードは”八十八銀行”。過去に見たライブでも何度か締めを飾っていたナンバーで、ここではビルドアップされたプレイで観る者を圧倒。ベース弦を戯れる様に弾きまくるマガレ、途轍もない轟音を放つKatsuya、親の仇の如く乱打してリズムを刻む賢三。各人が力を出し尽くしたかの様にライブは幕を閉じた。

と、ライブレポの様に文章を書いてしまいましたが、ライブを疑似体験するかの如く素晴らしい内容のDVDで、画質はもう一つですが音質に関してはB'zライブ映像を上回る程の高レベルです。わざわざ会場まで買いに行き本当に良かった。八十八ヶ所のライブ映像自体貴重ですからね。以上、DVDレビューでした!