◆事業再生ADRって何?
◇迅速な経営再建可能に 民間の第三者機関が仲裁役
なるほドリ PHSのウィルコムや消費者金融のアイフルが事業再生ADRを申請したそうだけど、どういう制度なの?
記者 経営不振に陥った企業の再生を容易にするため、国が新たに認めた手続きです。事業再生の手法は、裁判所の指揮下で立て直しを目指す「法的整理」と、当事者間の話し合いで解決する「私的整理」に大別できます。ADRは「裁判外紛争解決手続き」の略称で、名前が示す通り、裁判所の力を借りない私的整理の一つです。07年に産業再生法が改正され、この制度が使えるようになりました。
Q 私的整理と法的整理の違いがよく分からないな。
A 事業再生の第一条件は、企業が抱える過剰債務の解消です。それには金融機関に借金を一部棒引きしてもらう(債権放棄)などの方法がありますが、当事者同士で調整を進める従来の私的整理では同意を得るのが難しく、十分な再建計画をまとめられないケースがありました。一方、強制力を伴う法的整理は「倒産」のイメージが強く、手続きに半年~1年を要するなど時間がかかりました。
Q 事業再生ADRはどこが違うの?
A 従来の私的整理との最大の違いは、国の認証を受けた民間の第三者機関が不振企業と債権者の間に入り、和解を仲介する点にあります。裁判所に代わる「仲裁役」を置くことで、公平な立場から債権者間の利害調整が進めやすくなりました。手続きも3カ月ほどで終了するため、事業を継続しながら、迅速な経営再建を進めたい企業には打って付けです。法的整理に準じた税法上の優遇措置を設け、使い勝手をよくする工夫もなされています。
Q 利用する企業は多いの?
A どの企業が利用したかは基本的に非公表ですが、先の2社のほか、マンション販売のコスモスイニシア(旧リクルートコスモス)はこの制度を利用して再建計画をまとめました。今後も利用が広がるとみられますが、現時点で第三者機関は08年11月に認定を受けた事業再生実務家協会(事務局・東京)しかありません。不振企業にとっては利点の多い制度だけに、第三者機関をいかに増やすかが課題といえそうです。(経済部)
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■事業再生ADRによる事業再生の流れ
過剰債務に陥った企業が申請
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事業再生実務家協会が資産や事業内容を審査して受理
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再建計画案を策定
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債権者が再建計画案に同意
↓
再建計画成立、実行へ
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引用:毎日新聞
http://mainichi.jp/select/wadai/naruhodori/news/20090930ddm003070125000c.html