約1万年にわたって人類の胃袋を

支えてきた家畜に感謝の言葉を述

べる日が近づいているのかもしれ

ない。イスラエルのスタートアッ

プが牛の細胞を培養してつくった

牛肉の販売を2022年に始め

る。日米企業も取り組む。家畜に

頼る食文化は転換期を迎える。

 

 

今回は、細胞を工場で「増やす」こと

で食肉を製造・出荷する企業、フュー

チャー・ミート・テクノロジーズ(イス

ラエル)に関する記事を紹介します。

 

この会社は生産能力は、次の通りで

す。

 

22年からハンバーガー5千食分

にあたる500キログラムの肉を

毎日つくる。

 

わざわざハンバーガー5千食とあるの

は、そのための需要を狙っているのか

な。

 

ヒンドゥー教は、牛肉は食べてはいけ

ないんですよね。イスラム教は豚肉

はだめだったと思います。

 

こういった培養肉の場合、宗教的に

どうなんでしょう。殺生をするわけで

はないので大丈夫ということであれ

ば、インドの人口の8割がヒンドゥー

教徒とすると、ざっと11億人くらい

の新規のお客様が存在することにな

ります。やはり、牛由来なのでだめか

もですね。

 

このビジネスの成否を分けるのは、

培養肉のお味だと思います。

 

イスラエルのアレフ・ファームズ

は牛の細胞を培養し、18年に

ステーキになる培養肉を発表し

た。20年12月にはネタニヤフ

首相(当時)が試食して「おい

しくて、(動物を食する)罪悪感

が無い」とたたえた。

 

このアレフ・ファームズもイスラエル

の会社です。イスラエルでは培養肉

の研究が盛んなんでしょうか。

 

ともあれ、おいしいのであれば、当

時のネタニヤフ首相のおっしゃる罪

悪感もないことだし、結構流通する

かもしれません。

 

でも、肉食に対して「罪悪感」とい

うのは仏教的なメンタリティーかと

思ってましたら、そうでもないんで

すね。そういえば「羊たちの沈黙」

という映画もありました。

 

培養肉の生産コストが、家畜を

食肉用に育てるよりずっと安い

ことが大前提ですが、

 

現代人の繊細なメンタルにとっ

て家畜を食肉用に供することが

負担という理由で、培養肉の生

産が増える可能性もあるかも。

 

この記事では、イスラエルだけ

ではなく、オランダや米国さら

に日本の培養肉のメーカーが

紹介されています。

 

21年5月には米イート・ジャス

トがジンガポールの中華レスト

ランへ、チキンサラダやギョー

ザに使う培養鶏肉の定期的な

供給を始めた。「数年以内に通

常の鶏肉以下のコストで生産し

たい」とし、和牛肉の開発も進め

る。

 

既に培養肉の実用化は現実のものと

なっているようです。記事にあるよう

に“食文化に革命”が起きるのでしょ

うか。

 

そういえば、ジャングル大帝でバッタ

かなにかを養殖して、肉食獣が食べ

ていたのを思い出しました。