金融危機の拡大が引き起こした東京市場の今年の株価暴落は、国内企業や金融機関に大打撃を与えた。保有する株式の価値は大幅に下落し、市場からの資金調達も困難となり、経営体力は弱体化した。世界景気は悪化する様相を強めており、企業は09年も厳しい経営環境にさらされそうだ。

 株安による市場混乱は、新規上場を激減させた。想定通りの資金調達ができないことが主な理由とみられる。野村証券のまとめによると、08年に新規上場した企業は前年比59・5%減の49社と大幅に減少し、16年ぶりの低水準に落ち込んだ。

 株安は、企業の増資や社債発行による資金調達にも足かせとなった。不動産関連会社のアイディーユーは10月、予定していた15億円の第三者割当増資を急きょ中止した。同社は現在も増資を検討中だが、増資額は1億円まで減額するという。「リスクがある増資に応じる企業や投資家がほとんどいない」(大手証券)状況で、増資を見送る企業は今後も増えそうだ。

 普通社債発行による資金調達も減少した。特に金融危機が深刻化した10月に激減した。みずほ証券によると、社債発行額は10月としては統計を始めた97年以降、最低水準の3520億円だった。12月には、金融市場の混乱で体力を奪われた野村ホールディングスなどの金融機関が相次いで社債を発行したため、12月の発行額は昨年よりも急増したが、08年の発行総額は8兆8028億円と昨年実績から3635億円の減少。みずほ証券の香月康伸チーフクレジットアナリストは「信用力が高い格付けの企業しか、社債を発行できないのが現状だ」と指摘している。

 金融機関が株安で受けるダメージはさらに深刻だ。大和総研の試算では、30日現在の大手銀行の9月末時点から比べた含み損(速報値)は1000億円。含み損の拡大は、経営の健全性を示す自己資本比率を悪化させる。企業への融資も厳しくなり、中小企業を中心に貸し渋りが横行。企業の資金繰りがさらに悪化した。保険会社の国内株式含み損益は、三井生命保険が約200億円の含み損(9月末時点は527億円の含み益)に転落、日本生命保険は7割近くも含み益が急減した。

 企業は資金繰りが苦しければ人員削減や給与削減の動きを加速する。これが個人消費を冷え込ませ、09年度の企業業績は減収減益になるとの予想もあり、企業業績が好転するまでにはなお時間がかかるとみられる。


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いやいや、今年は色々と大変な年でしたね(;^_^Aきっと来年は僕にとっても皆さんにとってもいい年になりますよう願うばかりです。それでは皆さん今年も残りわずか。。。よいお年をお迎え下さい!!