指定暴力団山口組系だった元後藤組の後藤忠正組長が、米ロサンゼルスの病院で肝臓移植を優先的に受ける見返りに、多額の寄付をしたとの疑惑が出ている問題で、米連邦当局は15日までに、病院側に不適正な対応はなかったとの結論を出した。

 ロサンゼルス・タイムズ紙によると、後藤元組長ら日本人4人が2000~04年、米カリフォルニア大ロサンゼルス校(UCLA)付属病院で肝移植手術を受け、うち2人が術後に10万ドル(約900万円)ずつを寄付していた。多数の待機患者がいる中で、手術の順番で優遇を受けたと指摘されていた。

 米厚生省当局が調査した結果、4人には、他の患者が体に適さないとして移植を断った肝臓が提供され、優先的な扱いもなかったという。しかし、疑惑を調べているグラスリー上院議員は、4人の中には移植の順番が500~600番台だったり、医師個人に金銭や腕時計を贈ったりしていた患者がいたと、不自然さを指摘している。