イタリアの商業、サービス部門の企業でつくる業界団体「コンフェセルチェンティ」は11日、イタリア全土の犯罪組織の年間収入は計1300億ユーロ(約16兆円)、経費を除いた純益は計700億ユーロに達するとする報告書を発表した。民間企業に例えればイタリア最大になるという。

 共同通信によると、イタリアの犯罪組織は、南部シチリアのマフィアやナポリのカモッラなどが有名。報告書は、金融危機で資金調達が困難となった中小企業が、犯罪組織から高利で資金を借りるケースが急増するとして、さらなる収入増の可能性も指摘している。

 報告書は、警察資料や会員企業の報告などから作成。犯罪組織の最大の収入源は麻薬密売で590億ユーロ。産業廃棄物などの不法処理が160億ユーロ、高利での融資が126億ユーロと続く。
国内総生産GDP)の数%にまでなるという。

 マフィアや暴力団、犯罪組織が行う違法ビジネスは、麻薬密売や賭博などリスクが高いために、それだけ利益が大きい。そのうえ税金を一切払わないため、売り上げがそのまま懐に入り利益は莫大(ばくだい)になるとされている。

 各国の国税当局は、違法ビジネスを行うマフィアなどから税金を徴収すると、違法ビジネス自体を合法ビジネスと認定してしまうことになるため、犯罪組織の経済活動すべてを税法の網にかけることができず、当局にとってその点がジレンマとなっている。

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