指定暴力団山口組旧五菱会系グループのヤミ金融事件で、スイス当局が没収した約29億円の犯罪収益について、返還を求めて手を挙げる被害者の数が伸び悩んでいる。東京地検による申請受け付けから3カ月たったが、全国で数十万人ともいわれる被害者のうち、申請者は約850人(22日現在)のみ。多くが被害者の手に渡らず、国庫に納められてしまう恐れも出てきた。
 同地検は7月25日の受け付け開始後、ヤミ金融業者の顧客名簿などで把握できた約3万7000人に郵送で申請を呼び掛けたが、約2万通が転居先不明で返送された。
 対象期間が1988年から2003年までと古いことに加え、ヤミ金融から逃れるため転居した人もいるためとみられる。顧客名簿も不正確で、郵送後に「ヤミ金に借金などしていない」と苦情の電話もあった。
 地検はポスターや新聞広告でも呼び掛けており、弁護士会や司法書士会もホットラインを開設しているが、被害者の十分な掘り起こしにはつながっていない。検察幹部は「被害規模を考えれば少ない。古い話なので、もうかかわりたくないという気持ちもあるのでは」と話す。
 東京地検がホームページで公表している五菱会系業者から貸し付けを受けた人などが対象で、審査で被害が証明されることが必要。
 受け付けは来年1月26日まで。同地検は「振り込み記録などを紛失していても証明できる可能性はある。記憶の範囲で返済日時などを書き出して、まず申請をしてほしい」としている。
 問い合わせ先は、五菱会事件被害回復センター03(3595)1201。 

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