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映画「清須会議」から、羽柴秀吉(大泉洋、左)と柴田勝家(役所広司)(写真:産経新聞)
脚本家、舞台演出家とマルチに活躍する三谷幸喜監督(52)の映画6作目「清須会議」(9日全国公開)は、オールスターキャストの歴史群像人間喜劇という、三谷ワールドがぎっしり詰まった作品だ。「爆笑コメディーとは違うかもしれないが、おかしさはちりばめているつもり。人間っておかしいなと思ってもらえるのでは」と話す。(藤井克郎)
「清須会議」は、織田信長亡き後の跡継ぎを話し合うため、清須城に集まった家臣団の5日間に及ぶ丁々発止のやりとりを描く。柴田勝家(役所広司)、羽柴秀吉(大泉洋)、丹羽長秀(小日向文世)、池田恒興(佐藤浩市)、お市(鈴木京香)、織田信雄(妻夫木聡)、寧(中谷美紀)、前田利家(浅野忠信)、黒田官兵衛(寺島進)、堀秀政(松山ケンイチ)と、総勢26人のおかしくも悲しい人間模様が描かれる。
「オールスターキャストの映画は群像劇じゃないといけない。『オリエント急行殺人事件』なんて、イングリッド・バーグマンにローレン・バコール、ショーン・コネリーと、ポスターの顔写真を見るだけでわくわくしたものです。そういうのを作ってみたかった」という三谷監督。小学生のときにこの題材を知って以来、40年越しの夢の実現だった。
特にキャラクターづけにはこだわった。たとえば衣装。勝家側は青がベースで秀吉側は黄色、どっちつかずの恒興は緑にしている。織田家の人々はみな鼻が高く、羽柴家は耳がでかい。特殊メークなどを用いてありとあらゆるビジュアル面の工夫を施し、「時間はかかったが、歴史ファンとしては楽しくてしようがない。いくらでもいじっていたかった」と振り返る。
もう一つ、映画6作目で初めて役者の芝居を肉眼で間近に見てOKを出した。今までの作品ではモニター越しだったが、「俳優である以上、誰かに見せたいはず。その最初の人物は監督であるべきでしょう。僕のために演技をしてほしいと思ったんです」と言う。
その結果、役所広司が持つコメディアンとしての天性の間(ま)を映像に刻み込むなど、最高の芝居を随所に残すことができた。
「舞台と映画を両方やっていて気づいたのですが、それぞれの強みと弱みがある。舞台はその日限りで、うまくいってもいかなくても次に頑張ろうでいい。でも映画でうまくいかなかったシーンに僕がOKを出したら、永遠に失敗した演技が残る。逆に完璧におもしろいカットが撮れたときは永遠におもしろいわけで、宝物をもらったような気持ちです。いい芝居を引き出すということでは今回、かなりいいところまでいっているんじゃないかという気がしますね」
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