こんにちは、香水好きのみなさん。
週末はゆっくりできましたか?
お出かけしたくなる陽気ですから
ショッピングなどを楽しまれた方も
多いのではないでしょうか。
今日のトリビアは
「世界一高い香水」のお題で
お話ししようと思います。
◆ギネス認定の世界一高い香水
世界一高い香水としてギネスに載っているのは
Clive Christian Imperial Majesty Perfume
クライヴ・クリスチャン インペリアルマジェスティ。
価格は200,000ドル(約3000万円)と
言われています。
ただし、この価格の大半はボトルの値段で
ボトルの首の部分に5カラットのダイヤモンドと
4gの純金が使われています。
クライヴ・クリスチャンは
もともとは高級家具職人で
1999年に香水ブランドを立ち上げ
インペリアルマジェスティのような
話題性の高い香水をいくつか
作ってきました。
ただ、中身の香水そのものの評価は高くなく
インペリアルマジェスティも
「世界一高い」というタイトルほしさで作った
成金趣味の香水だと揶揄されています。
◆本物の「世界一高い香水」は
香水の歴史には多くの伝説的な作品がありますが
その中でも特に際立つのが
ジャン・パトゥ(Jean Patou)の「ジョイ(Joy)」。
1929年に誕生したこの香水は、
「世界で最も高い香水」として知られました。
「ジョイ」が誕生したのは1929年、
世界が大恐慌に見舞われた時期です。
経済的な混乱の中、
多くの人々が贅沢品をさけていましたが
フランスのファッションデザイナー、
ジャン・パトゥはあえて
最も豪華で高価な香水を作るという
大胆な挑戦をしました。
「ジョイ」が世界一高い香水になったのは
その贅沢な製法によるものです。
この香水には、主成分として、
驚異的な量のバラとジャスミンが使用されています。
具体的には、
30本のバラと10,600本のジャスミンの花から
抽出されたエッセンスが
1オンスの「ジョイ」に含まれています。
香りの構成は‥
トップノート:
ベルガモット、イランイラン、チュベローズ
ミドルノート:
ローズ、ジャスミン
ベースノート:
サンダルウッド、ムスク
という構成になっていて、
複雑ながらバランスの取れた香りで、
発売以来、変わらず多くの人々に愛されています。
「ジョイ」のお値段が高い理由は
その製造過程にあります。
この香水には
大量のバラとジャスミンが使用されていて、
これらの花々は手摘みで収穫され、
丁寧に処理されています。
また、ジャン・パトゥは
品質に一切の妥協をしないことで知られており、
「ジョイ」に使用される香料はすべて
厳選された最高級のものです。
この品質へのこだわりと希少性が、
「ジョイ」の高価格の理由です。
1929年の発売当時「ジョイ」の値段は
30mlで50ドルと言われていますが
これは今の価値に換算すると700ドルで
円安の現在の日本円だと110,000円です。
一般的に高級と言われる香水が
50~70mlで30,000~50,000円
ということを考えると、
「ジョイ」はその4~5倍の値段で
勝負に出たのですから
品質にはよほどの自信があったのでしょうね。
この「ジョイ」は、
発売から100年近くを経た今日でもなお、
その魅力を失うことなく、
香水愛好者たちに愛され続けています。
そして、ありがたいことに
製法の進歩や改良と香料の流通の改善や
ジャン・パトゥの販売戦略の変更などで
「ジョイ」のお値段は
今ではずっと身近なレベルになり
より多くの人の手に届くようになりました。
私自身はまだこの香水の香りを
試したことがありませんから
もし知っておられる方があれば
ぜひ感想をお聞かせください。