国民が直接、国家権力の運営に参加

十分な判断材料を持たない人々の衝動的な気持ちを利用して色々な煽動が行われると、人々はそれになびいてしまう。これでは、数をあつめても理性がともなっていないから民主的とはいえない。

資本主義国において、独裁者や政党が国民生活のあらゆる領域にわたって統制を加え、全体主義的な立場から市民の自由を抑圧する場合、これをファシズムと呼ぶ。

全体主義とは、国家または民族を至高のものとして、個人は全体のために奉仕するという思想である。

自由とは、このような考え方に反対する個人の「態度」をいう。従って、独裁的な政治、一定の固定観念を強制する政治は自由とは無縁ということになる。

自由を尊重する政治は、個人に向けられた人権侵害から個人を擁護すると同時に、このような権力の行使が行われないように、国民が直接、国家権力の構成や運営に参加していくことを意味する。

民主主義を推進するためには、国民の側に権威主義を認めない政治的な態度が必要である。民主主義や自由主義を否定する全体主義は、権威主義に根ざしている。

政策の転換は、その前提として政権の変更を意味する。これが容易にできなければ民主政治は成り立つものではない。