ゴジラマイナスワンにて。

"闘い"のラストは、甲板に乗る全員が、敬礼("`д´)ゞを贈るシーンとなっている。

誰に対する敬礼か。

まずは、崩れいくゴジラに対する敬礼である。全員が、誰に言われるともなく、思わず敬礼を捧げてしまうシーンである。

これは、戦争ではない。

生き物同士の闘いだからだ。

荒ぶる神に等しいゴジラへの、生き物同士としての敬礼である。


しかしその奥には、軍隊式の敬礼であることもフォーカスされるだろう。

散っていった人間たちの魂への敬礼。だが、ゴジラとの闘いで散っていった魂以上に、あの人間が起こした戦争というものの中で散っていった、同胞たちへの敬礼であろう。


戦争は、闘いではない。

戦争は、自然界ではないところから来た、人間の皮を被った非人間……バケモノだ……によって画策された、人間界における単なる惨劇である。

その下らないサイテーな惨劇によって命を落とした哀れな魂へ、鎮魂の敬礼を贈っているのである。


戦後の焼け野原とは、その単なる惨劇の結果でしかない。


が、そこから立ち上がろうとしてきた我らが先輩たちは、生き物として復活してきたはずである。


今、われわれは既に知っている。

DSやカバルと言われる非人間の存在を。

奴らには、敬礼は要らない。

単に、抹消すべきものである。