戦後というものだった。

戦後を直接現わそうとしていた。

表そうでなく、現わそうである。

 

本当の戦後を知っている人びとがどのように思われるか。

拙者の父も亡くなってしまったし、それはわからない。

わからないが、それを真摯に現わそうとしていた。

その姿勢は、かつての昭和特撮が戦争を引きずっていたものと、本質的に全く異なっていた。

 

シンゴジラと同様に、すでにこれは怪獣映画とは思えない。

何か、そういったものとは別物だ。

 

主演の神木隆之介が、ここまで成長していたとは驚愕だった。

 

この映画がなぜ作られたのか。

それは焼け野原を前提としているからだろう。

 

拙者は「まだ」、焼け野原を知らない。