一昨日、映画『ストリート・キングダム 自分の音を鳴らせ。』を観た。


この映画は1970年代末に東京で起きたパンクのムーヴメント、東京ロッカーズを追った写真家でムーヴメントの当事者でもあった地引雄一が書いた本『ストリート・キングダム』が原作の青春音楽映画である。

監督は田口トモロヲ、主演は峯田和伸(銀杏BOYZ)、脚本は宮藤官九郎。

東京ロッカーズとは、当時、パンクに触発され、東京で活動していたフリクション、LIZARD、ミラーズ、ミスター・カイト、S-KENの5バンドを総称した名前で、同名のコンピレーション・アルバムをリリースし、ライヴ・ツアーを行った。

それは東京で新しい音楽を鳴らし、東京で初のパンク・ムーヴメントとなった。

元はその5バンドを指していたが、東京ロッカーズはムーヴメント全体を指すようになった。

他にもいろいろ説明は必要だが、長くなるので置いといて、映画化のニュースを知った時は驚いたし、映画になるの?と疑問だった。

まとまるのか?とか、エピソードはいろいろあるけど、ストーリーはどうするのか?とか。

とはいえ、映画になるなら絶対観たい!

だが、公開が近づき、公開されて1日1日過ぎて行く中、自分の中で「もしも『ボヘミアン・ラプソディ』みたいに観てすごく腹が立ったらどうしよう」という不安がじわじわと湧き上がってきた。

『ボヘミアン・ラプソディ』といえば、イギリスのロック・バンド、QUEENを描いた音楽映画で、大ヒットして称賛の声も多かったのだけど、QUEENが好きな身としては、事実を改変してフレディ・マーキュリーを感動のだしにするな!と憤ったし、当て振りを延々見せられて、これなら実際のLIVE AIDの映像をフルで流せばいいやんとすごくしらけた。

映画はしょせんフィクションとわかっていても、あからさまなフィクションを『ボヘミアン・ラプソディ』は本人の名前でやっていたのも許せなかった。

『ストリート・キングダム』はその点、誰がモデルかはわかるけど、すべて役名になっていたので、これは事実を元にしたフィクションなんですよというメッセージを感じた。

でもなぁ、などとうだうだしてるうちに上映終了が迫ってきたので、ようやく観に行ってきた。

前置きが長くなった!

観たところ、そんな心配は無用だった。

実際はこんな感じじゃなかったんだろうなぁと思わなくもない。

だからといって、自分はそこまで気にならなかった。

演者にも作り手にも敬意や愛情、熱意をビシビシ感じたからだろう。

中高年からの説教くさいという感想も聞くが、自分は許せる。

思えば、東京ロッカーズのようなムーヴメントに身を置いてみたい、目撃したい、体験したいと、大学生の頃、頻繁にライヴハウスに通うようになったが、自分はそれほどのムーヴメントには出会えなかった。

地方ではなかなか難しいし、ライヴに行くだけで自分から何か行動を起こしたわけではなかった。

でも、スペシャルなライヴは人知れずライヴハウスで、平場のライヴで稀に起きることは身を持って知った。

ムーヴメントには出会えなかったけど、これまでの体験が蘇るようで、『ストリート・キングダム』を観ていて熱い気持ちになった。






4月18日(土)夜、UTEROに割礼のライヴを観に行ってきた。


9年ぶりの福岡でのライヴで、実は5年前に福岡でのライヴが決まっていたが、コロナ禍で中止になり、念願叶ってのライヴとのことだった。

以前、自分が割礼のライヴを観たのはもっと前だった気がして、その時は先日亡くなった岡崎さん率いる福岡が誇るサイケデリック・ロック・バンド、蝉が対バンしていた覚えがあるが、ネットで検索しても見つからず、前回がいつ、どこで、誰と対バンしたかなど、さっぱりわからない。

とにかくすごく久しぶりの感覚で、もう福岡では割礼のライヴは観れないだろうと思っていたので、割礼のライヴが福岡であると知った時はすごくうれしくて、この日をずっと楽しみにしていた。

聴いた話では今回の対バンのplease in the morningの中谷さんたっての希望で、中谷さんとUTEROが共同で企画したそうだ。

中谷さんとUTEROに感謝!

今回の割礼のライヴはドラム&パーカッションを1人加えた5人体制でのライヴだった。

ツイン・ドラムは音に厚みがあり、見た目も実に爽快だった。

ベテランには若手には出せない音やグルーヴがある。

割礼の曲はアップ・テンポの曲が少なく、歌詞も言葉数が少ない、今のJ-POPとは真逆のような言葉を詰め込まない、間をとった歌なのだが、反復するタイトなビートに鳴り響くシンバルや突き刺すようなギターの音がトランシーで、ゆったりした歌と相まってサイケデリックの極致のようなのだ。

うまく説明できないが、とにかくたまらない。

今回もそうだった。

すばらしい!

割礼でしか表現できない音世界が繰り広げられていた。

2度のアンコールを含む約1時間半のライヴだった。

終演後、物販で何か買おうと、老眼のせいもあり、ぐっと目を細めて眺めてたら、ボーカル&ギターの宍戸さんがやってきて物販に立った!

ライヴ中、一切MCをしない宍戸さんから物販を買うんだ!と一気に緊張感が高まる。

列に並び、TシャツとソロのCD-Rを宍戸さんから購入、福岡で久々にライヴをしてくれたお礼とライヴが最高だったことを告げた。

その時の自分といえば、アラフィフなのに気分は高校生のようだった。

いい夜だった。

また福岡で割礼のライヴが観れるといいな。




2026年4月17日、福岡のアイドル・グループ、LinQが結成15周年を迎えた。


もう15年かとも思うが、自分の年の取り様を考えればそのぐらい経つ。


夜、LinQの1期生のOGが集結してのライヴがあったが、迷った末にやめた。


ここ数年、自主的にLinQのライヴを観に行くことはわりとあるが、当時はファンではなかったから。


当時の心情を簡単に書くと、LinQのデビュー以前から福岡にはHRというアイドル・グループがいて、AKB48のブレイクから日本各地でアイドル・グループが結成されるローカル・アイドル・ブームが起こり、福岡ではHRがその先駆けと言ってもいいかもしれない。


そのHRを自分はちょくちょくライヴを観に行ってて、ある日、HRから実力ともにリーダーと言えるメンバーが脱退し、グループはガタガタになった。


脱退した翌年だったか、その脱退したメンバーをリーダーに据えてデビューしたのがLinQだった。


言い方は違うかもしれないが、当時は「うわっ、引き抜かれた!」と思った。


キャナルシティで行われたお披露目ライヴにも行った。


HRはデビューから1年ほどしてようやくオリジナル曲ができて、正直、たいした曲ではなかったが、ついにオリジナル曲ができた!と喜んだものだ。


オリジナル曲ができるまで、ずっとモーニング娘。やAKB48やSKE48のカバー、というかコピーだった。


オリジナル曲ができたといってもライヴでやるには曲数が足りないので、コピーは続く。


で、そのライヴの1曲目『ハジメマシテ』を聴いた瞬間、いい曲だと思った。


同時にHRと比べていい曲過ぎるので腹が立った。


LinQのライヴは全曲オリジナルでHRよりはるかによかったのが拍車をかけた。


曲がよくて腹が立つなんてことはこの時ぐらいだ。


まぁ、そんな感じでLinQを敵視する時期が続き、HRのメンバーも卒業、加入で様変わりし、何年か時間が経って許せるようになった。


アイドルの対バン・ライヴでその都度、LinQのライヴは観ていた。


それで始めの方の話に戻るが、LinQのOGライヴに行くかどうかで15年前の気持ちを思い出したこともあって、行くのをやめた。


同窓会的なライヴによそ者の自分が行くのも気が引けた。


ねじれた感じではありますが、LinQ15周年、おめでとうございます!!