こんにちはてんとうむし



今日はSさんのオンラインレッスンを例に

骨盤、股関節、呼吸の関係性

についてお話ししていこうと思います。




Sさんの場合

上三角右股関節が詰まる

上三角慢性的な腰痛

上三角左首から肩にかけての張り感や痛み、コリ



そして前回までにお伝えした

右足部のお悩みでした。



右足部の機能不全や

足関節の可動域(底屈)制限から、

右股関節の詰まり感との関係性は深いと考えられます。



以前にお伝えした

ジョイント・バイ・ジョイントのセオリー

と照らし合わせ考えると、

関節にはそれぞれ安定性と可動性に適した役割があり、その役割を逸脱すると隣り合った関節同士は可動性と安定性を代償し合います。



Sさんのケースですと、

可動性がほしい足首に動きがないため、

膝関節がその動きを代償している可能性がありますが、今のところ膝に痛みやお悩みはありません。


しかし、股関節は可動性の低下が予想できます。


それによって、隣り合ったもうひとつの関節、

腰椎の安定性も低下しているかもしれません。



歩行時において

股関節は屈曲・外転・外旋、伸展・内旋・内転という様々な方向への動きを同時に必要とします。



股関節は球関節で

比較的自由度の高い関節であることは

前にもお伝えしました。



その股関節の動きに追随して動くのが骨盤、

左右の寛骨です。



小さな動きですが

股関節が屈曲する際には寛骨は後傾、

伸展する際には寛骨が前傾することを

頭に入れておく必要があります。




すなわち、

歩行時には脚を交互に前に出して歩くわけですから


寛骨の動きは左右別々の動きを

左右同時に行うことになります。



骨盤はひとつのユニットとして捉えるのではなく、それぞれの寛骨の動き、全身の連動を繋げて考えていきます。




Sさんの場合

静止での姿勢評価でも骨盤前傾位、

骨盤前方移動(スウェイバック)が見られました。


全体的に身体を伸展している、

というのが特に首肩、腰の問題にも繋がっていると考えました。



肋骨下部が出ていることも含めて、

横隔膜の可動域制限も考えられます。




身体が伸展している状態というのは、

横隔膜と骨盤底筋群は

平行の位置関係ではなくなりますので、

それぞれが連動して動けない、

腹壁が作れないということです。



横隔膜の動きも制限されるので、 

呼吸も浅く、

呼吸補助筋である

胸鎖乳突筋、斜角筋、僧帽筋上部などの

努力呼吸時に働く筋肉が安静時にも働きます。



1日2万回もする呼吸に肩周りの筋肉を使うことをイメージしてみてください。


筋肉が疲労したり、張ったりするのは容易に想像できると思います。



また、いびきをかくというお話も聞いていたので、低位舌の可能性も考えられます。


口蓋の形成もどうなのかな? 


低位舌も改善していく必要もあるかもしれません。




Sさんだけでなく、


足底部の機能低下は


足裏の感覚の低下


ハムストリングスの出力低下


それに付随して必ず起こる、腹壁の出力低下


全てが繋がっています。



私たちの体に横方向、ドーム状に存在する


足底

骨盤底筋群

横隔膜

口蓋




それらは様々な圧力に耐えるための

構造として存在しています。



それらの構造が破綻することで、

私たちは伸展のパターンに偏り過ぎて、

不調や痛みを経験するのです。


私もですが、足底の機能だけが低下しているということはなく、その他のドーム状にある構造がどうなっているか?を同時に見ていくのも良いと思います。




Sさんのように足底の構造が破綻していても、

エクササイズで足部の筋肉の活動を活性化したりすることも大切ですが


足底だけに頼らず

改善できそうな伸展パターンから脱却する、

横隔膜や骨盤底筋群が適正に働くようにアプローチすることも大切です。




痛みや不調のある患部だけにアプローチしても

うまくいかないのは、

このように身体とは複雑で

でも色んな役割を緻密に補ったり、

協調したりしながら私たちの生命維持のために働き続けてくれているからです。



なぜ、そのような姿勢になったのか?


その姿勢が、その人にとっては必要なことだとしたら、どこにアプローチするのが良いのか?



一回で改善しない場合もほとんどですが、

その人がもつちょっとした癖や生活のパターン、

話から見えてくるカケラを少しずつ集めて、

その人に合った楽な状態を見つけていく。



身体の様々な部位や組織などがもつ

それぞれの自由度を高くしてあげる。


そのことで

どの状況にも合わせることができる

その人なりの最適な状態を

一緒に見つけていくのが、

私のパーソナルレッスンです。



今やSNSなどの情報で、このお悩みにはこれだけやればOKみたいなものも散見されますが、

その人それぞれの年齢や性別。

生活環境や生活パターン。

骨格や筋肉量。

運動経験。

お悩みや目的によってもやることは変わってくると思います。



そして今回お伝えしたように、

身体の複雑に絡みあった構造や私たちをなんとか生かそうとする様々な戦略がときに不調や痛みに繋がる。


答えがひとつでない場合が多い。



だからこそ、インストラクターやトレーナーと呼ばれる存在がいると思っていただけたらと思いますにっこり



なかなか不調が改善しない


ひとりでどうしたら良いかわからない


何が必要で合っているのかわからない


そんな方は一度プロに見てもらうのをオススメします。



理由がわかるとスッキリ、

安心するものですにっこり






次回はどんなアプローチをしていったかも含めてお伝えできたらと思います音譜




記事についてのご感想などコメントいただけたら幸いですニコニコ飛び出すハートキューン





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